小園健太(市立和歌山)

来秋ドラフトの目玉候補…“大型右腕”市立和歌山「小園健太」は最速152キロの直球だけじゃない!

 2020年のドラフト会議まであとわずかとなったが、高校野球では来年の選抜高校野球出場に大きくかかわる秋季大会がスタートしており、また大学野球でも下級生の活躍が目立つチームも増えている。プロアマ野球研究所ではそんな来年以降のドラフト候補も積極的に紹介していきたい。今回は来年の目玉候補になる可能性を秘めた高校生の大型右腕を紹介する。

【2020年10月18日】秋季高校野球近畿大会

市立和歌山2-1東播磨

 今年の高校2年生世代は既に複数の投手が最速150キロを超えており豊作の予感を感じさせるが、そのうちの一人がこの日登板した市立和歌山の小園健太だ。入学直後の1年春からベンチ入りしてマウンドを経験し、今年の夏には152キロをマークしている。レベルの高い近畿でも現時点の注目度はナンバーワンと言える存在だ。

 この日も近畿大会初出場を決めて勢いに乗る東播磨を相手に被安打5、1失点、11奪三振と素晴らしいピッチングでチームを準々決勝進出に導いた。都合で序盤しか投球を見ることはできなかったが、スピードよりも投球全体のクオリティの高さだ。1回はわずか10球で三者凡退に抑えてみせたが、ストレートはわずか2球。どんな投手でも難しいと言われる立ち上がりに、変化球をしっかりと低め、コーナーに集められるのは見事という他ない。

 110キロ程度の緩いカーブで緩急をつけるが、ストレートとだけではなく、120キロ台のスライダーや130キロ台のツーシーム、カットボールと組み合わせるあたりは高校生離れしていると言えるだろう。ツーシームは縦に落ちるフォークのようなボールとシュートしながら落ちるボールがあり、左打者の外角に投げるボールとして非常に有効だった。

 フォームは少し重心の高さが気になるものの、テイクバックでの右肘のたたみ方が上手く、体の近くでしっかりシャープに腕が振れるのが長所。全体的なバランスも良く、体重移動もスムーズだった。長いイニングを意識してかストレートは140キロ前後がアベレージで、この日確認できた最速は145キロ。これまでの最速が152キロということを考えると少し低調な感もあるが、2年秋という時期を考えれば十分な数字である。そしてギアを上げればまだまだ速くなりそうな雰囲気は十分に感じられた。

 投手としてのセンスは間違いなくこの世代ではトップクラスであり、あとはストレートの出力を高いレベルに引き上げるかという点がポイントになってくる。コンスタントに145キロを超えてくるようになれば、来年のドラフト1位候補になる可能性が高いだろう。それだけのポテンシャルを秘めた投手である。

この日の成績

9回 被安打5 1失点(自責点1) 11奪三振 1四球

(文・PABB主任研究員・西尾典文)

西尾典文 主任研究員

西尾典文
  • 1979年、愛知県生まれ。大学まで選手としてプレーした後、筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から技術解析などをテーマに野球専門誌に寄稿を開始。修了後もアマチュア野球を中心に年間約300試合を取材し、全国の現場に足を運んでいる

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