打田雷樹(大阪学院大)

“大型右腕”大阪学院大「打田雷樹」が7球団のスカウトの前で魅せた“将来性”

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって、プロ野球のペナントレースも3カ月遅れで開幕したが、アマチュア野球もようやく本格的に各カテゴリーで公式戦が行われるようになってきている。プロアマ野球研究所(PABB lab)は、これらの試合から有望選手をピックアップして、その実力を分析していく。今回は関西の大学球界を代表する大型右腕を紹介する。

【2020年9月24日】関西六大学野球秋季リーグ戦

大阪経済大2-3大阪学院大

 この日のお目当ては大阪学院大のエース、打田雷樹(4年・投手・日本航空石川)だ。高校時代は甲子園出場こそなかったものの、主戦として活躍しており、大阪学院大に進学した後も1年春からリーグ戦に登板。1年秋には新人賞にあたる「平古場賞」を受賞している。2年からは完全にエースとなり、昨年春にはリーグトップとなる6勝をマーク。プロからも注目される存在となった。

 この日は立ち上がりに味方のエラーからノーヒットで1点を失い、その後も8回まで毎回走者を許す展開となったが、要所を締めて2失点完投。節目となるリーグ戦通算20勝を達成した。

プロフィールは186㎝、83㎏となっているが細い感じは全くせず、マウンド上で大きく見えるというのが第一印象だ。フォームに関しては大型投手にありがちな少し“もっさり”した感じは否めず、動きのキレは物足りなかったが、力みなく腕を振ることができるのは長所だ。指先の感覚の良さも目立ち、ストレートは両サイドにしっかりと腕を振って投げ分け、変化球についても大きく外れるボールは少なく、この日も与えた四死球は0だった。このあたりは下級生の頃からマウンドを任されている経験を感じる部分だった。

 課題はストレートの勢いになる。自身の最速は147キロとのことだったが、この日の最速は143キロで、アベレージは140キロ弱というところだった。相手打線に9安打を許し、コーナーワークと投球術でしのぐような内容だっただけに、もう少しストレートで押せるようにならないと上のレベルでは厳しいだろう。

 とはいえ、大型でまとまりがあり、変化球もしっかりと操れるというのは大きな長所である。ここから瞬発系を鍛えて、フォームに躍動感が出てくれば体のサイズはあるだけに一気にスピードアップすることも十分に考えられる。この日も7球団のスカウトがスタンドに訪れていたが、大学生投手でも即戦力というわけではなく、将来性を評価しているようだった。スケールの大きさはあるだけに、ぜひともプロで鍛えてもらいたい素材である。

この日の成績

9回 被安打9 2失点(自責点1) 7奪三振 0四死球

(文・PABB主任研究員・西尾典文)

西尾典文 主任研究員

西尾典文
  • 1979年、愛知県生まれ。大学まで選手としてプレーした後、筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から技術解析などをテーマに野球専門誌に寄稿を開始。修了後もアマチュア野球を中心に年間約300試合を取材し、全国の現場に足を運んでいる

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