伊東邑航(いなべ総合)

三重の公立校にプロ注目の右腕…いなべ総合「伊東邑航」が魅せた“強気の投球”

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって、プロ野球のペナントレースも3カ月遅れで開幕したが、アマチュア野球もようやく本格的に各カテゴリーで公式戦が行われるようになってきている。プロアマ野球研究所(PABB lab)は、これらの試合から有望選手をピックアップして、その実力を分析していく。今回は東海地区でも屈指のポテンシャルと評判の大型右腕を紹介する。

【2020年8月2日】高校野球三重独自大会

いなべ総合6-2菰野

 昨日は先に菰野の大型右腕、伊藤佑悟(3年・投手)を取り上げたが、元々のお目当てだったのはいなべ総合のエース、伊東邑航(3年・投手)だ。昨年秋の県大会では優勝した近大高専に延長13回、タイブレークで敗れて東海大会出場は逃したものの、当時から140キロを超えるスピードは話題となっていた。しかし自粛期間明けの6月には右肩の違和感を覚えてしばらく練習試合の登板を控えていた時期もあり、その回復具合が心配されていた。

 そして、この日は故障明けということもあってか初回の先頭打者にいきなりストレートの四球を与えると、続く打者では暴投。その後は相手の拙攻もあって何とか2回までは0点に抑えたものの、ストレートはほとんどが130キロ台前半と、かなり苦しい投球が続いた。試合は3回裏の菰野の攻撃中に雷によって約1時間半中断する。

 この中断後、伊東は見違えるような投球を見せる。2回までは130キロ台後半だったストレートはコンスタントに140キロを超えるようになり、最速は145キロをマーク。再開後も三者凡退に抑えたイニングは4回裏だけで、9四死球と制球には苦しんだものの、走者を背負ってからも粘り強く投げ抜き、2失点で完投勝利を収めてみせた。試合後にいなべ総合の尾崎英也監督は終盤での交代も考えたとのことだったが、伊東自身の最後まで投げ切るという気迫を信じて任せたと話していた。

 フォームについては投げ合った伊藤と比べると、バランスがもう一つで、投げ終わった後に一塁側に体が流れるのが気になるところだ。テイクバックでのかつぐ動き、左足の着地の不安定さも重なり、立ち上がりは特にリリースのばらつきが目立った。