木沢尚文(慶応大)(撮影・西尾典文)

さすが「ドラフト1位」候補! 慶応大エース、木沢尚文が見せつけた“高等技術”

 プロアマ野球研究所(PABB lab)では、全国各地で行われているアマチュア野球の試合を現地で取材して、ドラフト会議で注目される選手や今後の飛躍が期待される選手の実力を分析している。今回はドラフト上位指名が有力視される大学生投手の今シーズン公式戦初登板をレポートする。

【2020年8月12日】東京六大学野球春季リーグ戦

立教大4-6慶応大

 この日、圧巻の投球を見せたのがドラフト1位候補である慶応大の先発、木沢尚文(3年・投手・慶応)だ。立ち上がりにヒットとワイルドピッチでピンチを招いて内野ゴロの間に1点を失ったものの、2回から3回にかけては5連続三振を奪うなど奪三振ショーを披露。8回途中で降板するまでに16個の三振を奪い、チームを勝利に導いた。

 以前もストレートの質の良さについて記事にしており、この日も150キロ台を9球マーク(最速は151キロ)したが、それ以上に目立ったのが変化球だ。実際この日投じた115球のうちストレートは33球と全体の3割にも満たない割合であるが、それが気にならないほど変化球のレベルの高さが光った。

特に素晴らしかったのがスライダーとカットボールのコンビネーションだ。130キロ台前半のスライダーはカウント球として使うことが多いが、130キロ台後半のカットボールはカウント球、決め球どちらにも使え、この二つのボールを中心に組み立てていた。変化球の球速差で緩急をつけて三振を奪うというのは、アマチュアではなかなか見ない高等技術である。立ち上がりはスライダーと110キロ台のカーブが少し浮く場面が目立ったが、それでもしっかりと修正して立て直すあたりはさすがドラフト1位候補と言えるだろう。