奥村幸雄(栄徳) (撮影・西尾典文)

“横綱”中京大中京に見事な快投! 愛知・栄徳の左腕「奥村幸雄」は“未来”のドラフト候補だ!

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって、プロ野球のペナントレースも3カ月遅れでようやく開幕したが、アマチュア野球もまた、6月に入ってオープン戦などが再開されている。プロアマ野球研究所(PABB lab)は、これらの試合から有望選手をピックアップして、その実力を分析していく。今回は中京大中京を相手に好投を見せた将来が楽しみなサウスポーを紹介する。

【2020年8月1日】高校野球愛知大会

栄徳1-5中京大中京

 優勝候補大本命の中京大中京は、1点を先制された4回表にエースの高橋宏斗(3年・投手)を急遽投入することになったが、その背景にあったのは栄徳の先発、奥村幸雄(3年・投手)の好投があったことは間違いない。試合前までは全くノーマークだった選手だが、ピッチング練習からフォームの良さとボールの角度が目立った。ステップの幅が狭く、いわゆる“立ち投げ”と呼ばれるような重心の高いフォームだが、無理に歩幅を広げようとしておらず、全体的なバランスは決して悪くない。

 今の股関節の柔軟性、下半身の強さを考えればこれくらいのステップが奥村にとってはちょうどよいということだろう。右足を上げた時の姿勢が良く、無駄な動きもないためスムーズに腕を振ることができている。また、テイクバックでの肘のたたみ方も上手く、シャープな腕の振りでサウスポーらしいボールの角度があるのも持ち味だ。この日の最速は138キロで、アベレージは130キロ台前半から中盤だったが、ボールの出所が見づらいため差し込まれる打者が多かった。

 さらに感心したのが変化球のレベルの高さだ。カーブ、スライダー、チェンジアップを操るが、特にチェンジアップはしっかりと腕を振って投げられてブレーキがあるので、低めに決まると空振りをとれる必殺のボールだった。高橋を視察したスカウトもこのボールについて高く評価するコメントを残している。