伊藤優輔(三菱日立パワーシステムズ)

“都立進学校”小山台出身、三菱日立パワーシステムズ「伊藤優輔」は社会人屈指の本格派右腕 ドラフト上位指名も…

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって、プロ野球のペナントレースも3カ月遅れでようやく開幕したが、アマチュア野球もまた、6月に入ってオープン戦などが再開されている。プロアマ野球研究所(PABB lab)は、これらの試合から有望選手をピックアップして、その実力を分析していく。今回は都立高校出身ながらドラフト戦線を賑わせる社会人屈指の本格派右腕を紹介する。

【2020年7月16日】社会人野球オープン戦

三菱日立パワーシステムズ0-7JR東日本

 この日はネット裏に多くのスカウトの姿があったが、一番のお目当ては三菱日立パワーシステムズの先発、伊藤優輔(24歳・投手・小山台→中央大)だろう。都立の進学校である小山台時代からセンスの良さは際立っており、2年秋には都大会の準々決勝に進出。翌年春の選抜に21世紀枠で出場し、初戦で履正社に大敗したものの随所に良さは見せていた。中央大でも早くからリーグ戦で起用され、勝てないシーズンも多かったが、4年秋には3勝をマークしてリーグ3位の防御率もマークしている。

 社会人2年目となった現在も、とにかく目立つのはフォームの良さである。テイクバックで無駄にひねったりかついだりする動きがなく、体を三塁側に長く向けたまま体重移動することができており、スムーズに上からバランスよく腕が振れている。

 フォームのキレや腕の振りの力強さは大学時代と比べても明らかにスケールアップしており、ストレートはコンスタントに145キロ以上をマークするなど(この日の最速は148キロ)十分な速さがあった。130キロ台前半のカットボールに近い横のスライダー、130キロ台後半のツーシームもボールとしての質が高く、100キロ台の緩いカーブで緩急をつけることもできる。

 このように書くと相手をしっかり抑えたかと思われるかもしれないが、そのボールの良さが結果に繋がらないというのが、大学時代からの伊藤の課題である。立ち上がりの先頭打者に際どい判定の四球で出塁を許すと、その後もチャンスを広げられて2点を献上。2回以降は走者を出しながらも何とか持ちこたえていたが、5回にも先頭から連続で四球を与えてピンチを作り、さらに2点を失った。