野平大樹(SUBARU)

社会人6年目でついに覚醒か? 樹徳出身の大型内野手、SUBARU「野平大樹」

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって、プロ野球のペナントレースも3カ月遅れでようやく開幕したが、アマチュア野球もまた、6月に入ってオープン戦などが再開されている。プロアマ野球研究所(PABB lab)は、これらの試合から有望選手をピックアップして、その実力を分析していく。今回は社会人6年目にして“覚醒の兆し”を見せる大型内野手を紹介する。

【2020年7月4日】足利市総合運動場硬式野球場リニューアル記念親善試合

全足利クラブ2-7SUBARU

 足利市総合運動場硬式野球場のスコアボードがリニューアルした記念に行われた社会人野球の親善試合。地元栃木の全足利クラブが、隣県群馬のSUBARUを招いて行われたが、野手で驚きの活躍を見せたのがSUBARUの5番に座った野平大樹(24歳・三塁手・樹徳)だ。

 樹徳高校時代は、下級生の時から大型ショートとして評判となり、3年春に出場した関東大会では3試合で4割を超える打率を残している。この大会でのホームランも現地で見たが、高校生とは思えない打撃を見せていた。しかし、高校卒業時にプロ志望届を提出したものの、ドラフト指名は見送られて、社会人の富士重工(現SUBARU)に進んだ。

 社会人では目立った成績を残せず、昨年の公式戦打率も2割台前半に沈んでいる。正直、存在も忘れかけていたが、この日は第一打席で打った瞬間にそれと分かるライトへのツーランを放つと、第二打席には低めの変化球を拾ってセンター前に運び、第三打席の四球を挟んで、最終打席にも内角寄りのスライダーをライト線に引っ張ってツーベースと、あわやサイクルヒットという大活躍を見せたのだ。

 以前と比べて構えは少し小さくなり、グリップの位置が低くなったのは気になるものの、上手く上半身の力を抜いて鋭く振り出せるようになったのは大きな進歩である。ホームランも全力でフルスイングしたというよりも、ボールの下にバットを上手く入れて運んだという表現が近いだろう。元々パワーはあったが、それを使いこなすだけに技術がようやくついてきたように見えた。

 サードの守備も特別何かが目立つわけではないが、社会人で長くプレーしてきただけあって、送球、捕球も見ていて安心感がある。センター前ヒットでも足を緩めずに一塁到達タイムは4.26秒をマークしており、大型だが脚力を備えているというのも長所だ。