向坂優太郎(仙台育英)

作新学院から13奪三振! 仙台育英「向坂優太郎」が見せた“高校生離れ”の変化球

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって、プロ野球のペナントレースも3カ月遅れでようやく開幕したが、アマチュア野球もまた、6月に入ってオープン戦などが再開されている。プロアマ野球研究所(PABB lab)は、これらの試合から有望選手をピックアップして、その実力を分析していく。今回は2年秋から浮上してきた東北を代表するサウスポーを紹介する。

【2020年7月5日】高校野球練習試合

作新学院4-7仙台育英

 甲子園の常連校対決となった練習試合は仙台育英が中盤に突き放して勝利した。その立役者の一人が先発のマウンドに上がった向坂優太郎(3年・投手)だ。昨年夏の甲子園ではベンチ外だったものの、新チームでは主戦へと成長。秋の東北大会では4試合に登板してチームの優勝に大きく貢献した。

 この日は立ち上がりにツーベースと自らのワイルドピッチで1点を失い、3回には味方のエラーから、さらに2点を奪われたものの、最終的には作新学院から13三振を奪って完投勝利。終盤は疲労もあってか、少し制球を乱す場面はあったものの、作新学院打線を相手に見事な投球内容だった。

 フォームは少し重心の高さは気になるものの、肘の使い方の柔らかさが目立ち、サウスポーらしいボールの角度も光る。さらに、いわゆるクロスファイヤだけでなく、右打者の外角にも狙って、しっかりと速いボールを投げ切れるのも長所である。

 そして、最速140キロをマークしたストレート以上に印象に残ったのが変化球だ。130キロ前後の縦に鋭く落ちるスライダーと、打者の手元でバットから逃げるようにブレーキのかかるツーシームは高校生ではなかなかいないレベルのボールで、この二つがほぼ完璧に決まった2回と5回には三者連続三振をマークした。