信濃グランセローズ・松井聖(撮影・西尾典文)

独立リーグの“強肩捕手” BC信濃「松井聖」は念願のNPB入りも“射程圏”へ

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって、プロ野球のペナントレースも3カ月遅れでようやく開幕したが、アマチュア野球もまた、6月に入ってオープン戦などが再開されている。プロアマ野球研究所(PABB lab)は、これらの試合から有望選手をピックアップして、その実力を分析していく。今回は独立リーグでも攻守にトップクラスの実力を誇る捕手だ。

【2020年7月3日】ルートインBCリーグ公式戦

信濃グランセローズ3-0群馬ダイヤモンドペガサス

 信濃で昨日紹介した赤羽由紘(20歳・三塁手・日本ウェルネス筑北)ともう一人強いインパクトを残したのがキャッチャーの松井聖(25歳・捕手・東邦→中部大中退→香川オリーブガイナーズ)だ。東邦では甲子園出場こそなかったが、正捕手としてプレー。関根大気(DeNA)やマルク(本名・石田健人マルク:中日)などが同期にあたる。大学を中退した後は2017年から四国アイランドリーグの香川オリーブガイナーズで2年間プレーして、昨年から信濃に移籍した。

 目立つのはまずそのスローイングだ。捕球から送球の流れ、持ち替えが非常にスムーズで速く、コンパクトで鋭い腕の振りで正確に投げることができている。イニング間のセカンド送球では楽々2.0秒を切るタイムを叩き出し、最速は1.91秒をマークした。社会人野球でもこれだけのスローイングを見せる選手はなかなかいないだろう。捕手らしいたくましい体つきで、キャッチングとブロッキングにも安定感がある。

この日の先発投手は元NPBの福地元春(元DeNA)で、立ち上がりから制球に苦しむ場面が多かったが、1球も後逸することがなく、また積極的に声をかけてリードして、6回無失点の好投に繋げてみせた。投手以外の守備人への指示も的確で、視野の広さがあるのも捕手としては大きな特長である。

 バッティングも5番を任されており、インパクトの強さが持ち味だ。少しヘッドが中に入り、内角の速いボールへの対応には課題が残るものの、7回の第4打席ではバットを折りながらもしぶとくライト前に運ぶタイムリーヒットを放ち、貴重な追加点を叩き出した。