日本新薬・榎田宏樹(撮影・西尾典文)

西武「榎田大樹」の弟…日本新薬・榎田宏樹が社会人野球で残す“凄い成績”

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって、プロ野球のペナントレースも3カ月遅れでようやく開幕したが、アマチュア野球もまた、6月に入ってオープン戦などが再開されている。プロアマ野球研究所(PABB lab)は、これらの試合から有望選手をピックアップして、その実力を分析していく。いつもは基本的にドラフト候補を紹介しているが、今回は「特別編」ということで、社会人のベテラン投手を取り上げたい。

【2020年7月1日】社会人野球オープン戦

Honda鈴鹿1-2日本新薬

 この日見事なピッチングを見せたのが日本新薬の先発、榎田宏樹(32歳・小林西→日本文理大)だ。今年で32歳ということでもちろんドラフト候補ではないが、長年チームのエースとして活躍している。ちなみに兄は西武でプレーしている榎田大樹で同じサウスポーだが、その投球スタイルは勢いのあるストレートで押していた社会人時代の兄とは全く異なる。

 いつ見てもストレートの球速はよく出ても130キロ台中盤で、この日の最速は132キロと極めて平凡。かといってフォームがそこまで変則なわけでもないのに、打者は榎田のボールをとらえることができない。この日も2回に味方のエラーと不運な当たりのヒットで1点は失ったものの、5回を投げて自責点0と先発投手としての役割をしっかりと果たしてみせた。

 打者が打てない大きな理由の一つが、全ての球種でフォームと腕の振りが全く変わらないというところだ。スピードからも分かるようにそれほど腕の振りが鋭いわけではないが、前で大きく振ることができており球持ちが長い。そして更に厄介なのが、カットボール、ツーシーム、チェンジアップが途中までストレートと軌道が変わらず、見分けがつかないのだ。