東洋大・村上頌樹 (撮影・西尾典文)

センバツ優勝投手「村上頌樹」 大学球界トップクラスに成長した“投球技術”

 新型コロナウイルスの感染拡大により、夏の甲子園が中止となるなど、アマチュア球界にも大きな影響が出ている。このため、各球団のスカウトがドラフト候補を視察できない異常事態に陥ってしまった。こうした状況を踏まえて、プロアマ野球研究所(PABB lab)は、過去の試合から有望選手をピックアップして、その実力を分析している。今回は、2016年に智弁学園で“センバツ優勝投手”に輝き、現在は東洋大学のエースとして活躍するドラフト候補を取り上げたい。

【2019年9月10日】東都大学野球秋季リーグ戦

東洋大1-0立正大 東洋大が初回に佐藤都志也(2019年ロッテ2位)のタイムリーで挙げた1点を守り切って接戦を制したが、勝利の立役者となったのはその1点を一人で守り抜いたエースの村上頌樹(4年・投手・智弁学園)だ。高校3年春には選抜優勝投手となり、大学でも早くからマウンドを任せられ、昨年秋までにリーグ戦通算12勝3敗という見事な成績を残している。高校時代と比べても体つきはそこまで大きく変わっておらず、174㎝という身長からも分かるように身体的なスケールには乏しいが、ピッチングに関する技術の高さは大学球界でも間違いなくトップレベルだ。

 素晴らしいのが、左右のコントロール。体の左右のブレがなく、左肩がギリギリまで開かずに、体の近くで縦に腕を振ることができ、逆球がほとんどない。肘の位置が高く、上背の割にボールの角度があるというのも持ち味だ。そして、目立ったのがストレート以上に変化球の精度だ。120キロ台のスライダーと、130キロ台中盤のカットボールを操るが、どちらも内角、外角にしっかり投げ分けることができている。

 特に、左打者のアウトコースにこの二つのボールを狙って投げられるというのが大きく、カウントをとる球として威力を発揮していた。また、忘れたころに100キロ台の緩いカーブを混ぜて、打者の目線を変えられるのも見事だった。