木更津総合・篠木健太郎(撮影・西尾典文)

高校生とは思えぬ完成度「篠木健太郎」は木更津総合で歴代最高クラスの好投手

 新型コロナウイルスの感染拡大により、夏の甲子園が中止となるなど、アマチュア球界にも大きな影響が出ている。このため、各球団のスカウトがドラフト候補を視察できない異常事態に陥ってしまった。こうした状況を踏まえて、プロアマ野球研究所(PABB lab)は、過去の試合から有望選手をピックアップして、その実力を分析している。今回は、好投手を多く輩出する木更津総合でも、歴代トップクラスの能力を誇る右腕を取り上げたい。

【2019年5月18日】高校野球春季関東大会

木更津総合3-4東海大相模

 終盤に東海大相模が勝ち越して接戦をものにしたが、この日最も目立った選手となると木更津総合の篠木健太郎(3年・投手)になるだろう。初回から2つの三振を奪う上々の立ち上がりを見せると、2回に足を絡めた攻撃で1点は失ったものの、3回以降はしっかり立て直して試合を作って見せた。東海大相模はこの後勝ち進んで関東大会優勝を果たし、夏の神奈川大会7試合で83点を奪って優勝するなど強打のチームだったが、中盤は篠木のピッチングの前にヒットが出る気配がなかった。昨年のドラフトでプロ入りした遠藤成(阪神4位)も3打数ノーヒット、2三振と完璧に抑え込まれている。

 この大会の時点で177㎝、68㎏と体はまだまだ細いものの、バランスの良いフォームで力みなく鋭く腕を振ることができるのが長所。左肩もギリギリまで開かず躍動感があるというのは高校生の投手ではなかなかいない。ストレートの最速は144キロをマークしており、アベレージも140キロ台と高い。

 ただ、それ以上に良かったのが変化球だ。同じスライダーでも空振りを奪う滑りの大きいものと、カットボールに近い小さく動くものをきっちり投げ分けており、フォームもストレートと変わらないので打者は対応が難しい。忘れたころに緩いカーブを織り交ぜて緩急をつけ、ストレートをより速く見せることができていた。同点で迎えた8回裏にワンアウト二塁のピンチを迎えたところで球数が100球を超えたところで降板したが、そのまま投げていれば東海大相模が勝ち越せたかはかなり微妙だっただろう。