浦和実・豆田泰志 (撮影・西尾典文)

全国屈指の強力打線をねじ伏せた! 浦和実「豆田泰志」直球の威力は本物だ

 新型コロナウイルスの感染拡大により、夏の甲子園が中止となるなど、アマチュア球界にも大きな影響が出ている。このため、各球団のスカウトがドラフト候補を視察できない異常事態に陥ってしまった。こうした状況を踏まえて、プロアマ野球研究所(PABB lab)は、過去の試合から有望選手をピックアップして、その実力を分析している。今回は、ストレートの質の良さが際立つ浦和実の右腕を取り上げたい。

【2019年5月19日】高校野球春季関東大会

浦和実8-3山梨学院

 この年の選抜では、1試合24得点を奪った山梨学院の強力打線を見事に抑え込んだのが、浦和実の先発マウンドに上がった豆田泰志(3年)だ。172㎝と小柄ながら、全身をいっぱいに使って鋭く腕を振ることができており、躍動感溢れるフォームは見ていて気持ちが良い。ストレートのアベレージは130キロ台中盤で、この日の最速は137キロだったが、ボールの回転が良く、打者の手元で全く勢いが落ちない。少し頭と上半身が早く突っ込み、立ち上がりは高めに浮くボールも目立ったが、2回からはしっかり修正してきた。左右の打者に対して、内角をガンガン突くことができるコントロールも光った。

 確認できた変化球はカーブとスライダーだけだったが、どちら球種もしっかりと腕を振って投げることができるため、球種の少なさも気にならない。何よりストレートの質の良さがあるため、変化球も生きてくる。3点をリードして迎えた7回に死球、四球で二人の走者を出して球数が100球を超えたところで降板となったが、被安打はわずかに1で、11個の三振を奪うという圧巻のピッチングだった。18個のアウトのうちゴロアウトはわずかに1個だったことが、打者の手元でボールがいかに来ていたかをよく物語っている。