横浜隼人・加藤大(撮影・西尾典文)

“全球直球”で15奪三振完封! 横浜隼人「加藤大」は“背番号20”のすごい奴

 新型コロナウイルスの感染拡大により、高校野球の春季大会がすべて中止されるなど、アマチュア球界にも大きな影響が出ている。このため、各球団のスカウトがドラフト候補を視察できない異常事態に陥ってしまった。こうした状況を踏まえて、プロアマ野球研究所(PABB lab)は、過去の試合から有望選手をピックアップして、その実力を分析している。今回は、横浜隼人の期待の右腕を取り上げたい。

【2019年7月14日】第101回全国高校野球選手権 神奈川大会

横浜隼人4-0大磯

 大磯が健闘し接戦となったが、横浜隼人が終盤に突き放したこの試合。勝利の立役者となったのは、先発のマウンドに上がった背番号20の加藤大(3年・投手)だ。初回から三者三振と抜群の立ち上がりを見せると、その後は制球がアバウトだったものの、140キロ台のストレートで押して凡打の山を築いた。7回を終了した時点で許した走者は二つの四球と味方のエラーの三人のみ。ノーヒット・ノーランの期待もかかったが、そのプレッシャーもあったのか、8回に二つの四球を出して走者をため、8番打者にライト前に運ばれて大記録達成はならなかった。しかし、ワンアウト満塁のこのピンチも後続を抑えて切り抜け、終わってみれば2安打、15奪三振完封。公式戦での初完投を見事な形で締めくくった。

 テイクバックで右肩が下がり、軸足を引きずるようなフォームで少し体重が後ろに残り、バランスはもうひとつだが、いかにも背筋の強そうな投げ方で、しっかりとボールを抑え込めるのが持ち味だ。少し力を抜いても140キロ台を記録し、この日の最速は144キロをマークした。

 試合後のコメントでは、全てストレートで勝負したとのことだったが、ネット裏からは少しスライダーしているようなボールもあったように見えた。ただ、相手打線が強力ではないとはいえ、奪った15個の三振のうち13個が空振り三振であり、これだけストレートで押して空振りを奪えるのは魅力である。

西尾典文 主任研究員

西尾典文
  • 1979年、愛知県生まれ。大学まで選手としてプレーした後、筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から技術解析などをテーマに野球専門誌に寄稿を開始。修了後もアマチュア野球を中心に年間約300試合を取材し、全国の現場に足を運んでいる

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