慶応大・生井惇己 (撮影・西尾典文)

慶大、期待の“2年生投手”「生井惇己」「小林綾」はプロ入りを狙える素材だ!

 新型コロナウイルスの感染拡大により、高校野球の春季大会がすべて中止されるなど、アマチュア球界にも大きな影響が出ている。このため、各球団のスカウトがドラフト候補を視察できない異常事態に陥ってしまった。こうした状況を踏まえて、プロアマ野球研究所(PABB lab)は、過去の試合から有望選手をピックアップして、その実力を分析している。今回は、慶応大で期待の2年生投手を取り上げたい。

【2019年11月10日】オープン戦 慶応大グラウンド

関東学院大1-8慶応大

 この日は、昨日の記事で紹介した増居翔太(2年・彦根東)のほかにも、活躍が期待される投手が二人登板し、それぞれ良さを見せた。一人目は6回からマウンドに上がった、サウスポーの生井惇己(2年・慶応)。高校3年時にはエースとして春夏連続で甲子園に出場し、春には増居と投げ合っている。当時は130キロ台後半のストレートよりも、打者の手元で変化するスライダーに特徴があり、まとまりはあるものの、スケールは感じない投手だったが、大学進学後に印象がガラリと変わった。

 体重移動のスピードが大幅にアップし、腕の振りが別人のように力強くなったのだ。それに伴ってスピードも当然上がり、秋のリーグ戦では3試合にリリーフして最速148キロもマークしている。この日も立ち上がりからストレートでどんどん押す力強い投球を見せ、最速は145キロに達した。

 ただ、その一方で少しリズムが単調でタイミングを合わせやすく、7回には2本のツーベースを浴びて1点を失った。もう少しフォームにも投球にも緩急が出てくれば、勢いの増したストレートと必殺のスライダーがもっと生きてくるだろう。ただ三振も3つ奪い、良さも十分に感じさせるピッチングだった。

慶応大・小林綾 (撮影・西尾典文)
慶応大・小林綾 (撮影・西尾典文)

 生井の後を受けて8回からマウンドに上がったのが小林綾(2年・松本深志)。ピッチングを見るのはこの日が初めてだが、長野県内では高校時代から評判だった右腕だ。フォームは左足を上げてから大きく沈み込んで、重心を下げてからステップする投げ方。伝統校出身だからというわけではないかもしれないが、少し古風な印象を受ける。

 ただ、決して悪いと言っているわけではない。最近では沈み込まずに踏み出した足を軸にした回転を利用して投げる投手が多いが、下半身の柔軟性を生かすためには、このような投げ方の方がしっくりくる投手もいることも事実である。テイクバックも少し大きいが、肩の可動域が広く、上からきれいに投げおろすことができていた。