広島ドラ1「森下暢仁」に投げ勝った右腕 慶大「森田晃介」に生まれた “凄み”

 新型コロナウイルスの感染拡大により、高校野球の春季大会がすべて中止されるなど、アマチュア球界にも大きな影響が出ている。このため、各球団のスカウトがドラフト候補を視察できない異常事態に陥ってしまった。こうした状況を踏まえて、プロアマ野球研究所(PABB lab)は、過去の試合から有望選手をピックアップして、今後のドラフト戦線がどのように動いていくのか、独自に分析していきたい。今回は、球速アップで投手として一皮むけた印象のあるドラフト候補右腕だ。

【2019年10月20日】東京六大学野球秋季リーグ戦 神宮球場

明治大1-2×慶応大(9回サヨナラ)

 慶応大が8連勝で優勝へ大きく前進したこの試合。勝利の立役者となったのが先発投手の森田晃介(3年・投手・慶応高)だ。高校時代も2年時からエースだったが、まとまりはあるものの凄みには欠け、ドラフト候補という印象は全く感じなかった。

 しかし、昨年の秋、そんな森田の印象は一変する。まず体重移動のスピードが格段にアップし、フォームに躍動感が出てきたのだ。軸足を早めに曲げ、テイクバックも小さいためフォーム全体がコンパクトだが、腕の振りもシャープになってスピードも格段にアップした。ちなみに、この日投げ合ったのは広島からドラフト1位指名を受けた森下暢仁だったが、二人の1回から9回までの各回の最速を並べると、以下のようになった。

森下:153、150、149、149、152、150、148、148、147

森田:147、146、146、147、145、146、145、145、145

 さすがに森下には及ばなかったが、これだけ1回から9回まで145キロを超えるスピードを持続できるようなピッチャーになるとは高校時代には全く思わなかった。ストレートが速くなった結果、元々の持ち味であるまとまりが生きてくるようになったのだ。130キロ前後のスライダーと135キロ前後のカットボールを上手く投げ分け、対になる130キロ台のツーシームもブレーキは申し分ない。