中部大・河内頼 (撮影・西尾典文)

高校ではプロ入りの同級生に“埋もれた右腕”が愛知大学リーグで成長を遂げていた!

 新型コロナウイルスの感染拡大により、高校野球の春季大会がすべて中止されるなど、アマチュア球界にも大きな影響が出ている。このため、各球団のスカウトがドラフト候補を視察できない異常事態に陥ってしまった。こうした状況を踏まえて、プロアマ野球研究所(PABB lab)は、過去の試合から有望選手をピックアップして、今後のドラフト戦線がどのように動いていくのか、独自に分析していきたい。今回は愛知大学リーグで活躍する将来性豊かな右腕を紹介する。

【2019年10月13日】愛知大学野球秋季リーグ戦 パロマ瑞穂球場

中部大8-2愛知工業大

 中部大でドラフト候補に挙がっていた151キロ右腕の片塩響介(長野工)がお目当てだったが、紹介したいのは最後に登板した河内頼(2年・菰野)だ。初めてそのピッチングを見たのは前年夏の三重大会、対伊勢高校戦。この試合では田中法彦(広島)が先発して最速150キロのストレートで3回を1安打に抑え、その後を受けた当時2年生だった岡林勇希(中日)も148キロをマークしている。

 ちなみに、岡林はライトスタンドに2打席連続ホームランを放ち、野手としての能力の高さを見せつけていた。12対0と菰野が大量リードした5回表のツーアウトからマウンドに上がったのが河内だった。投じたボールはわずか4球で、最後の打者をショートライナーに打ち取って試合を締めたが、ストレートの最速は145キロをマーク。田中、岡林以外にもまだこんな投手がいたのかと驚かされたのをよく覚えている。

 そして、河内の大学公式戦デビューとなったのがこの日の試合だ。8回からマウンドに上がり、2回を1安打無失点、3奪三振でしっかりと試合を締めてみせた。立ち上がりはリリースが少し安定しなかったものの、ストレートの最速は143キロをマークした。フォームの良いところはしっかりと軸足に体重を乗せてからステップすることができるところ。走者がいなくてもセットからの投球だったが、左足を上げた時に上半身に無駄な力が入っておらず、リリースに力を集中しようとする意識が感じられた。テイクバックの動きが大きく、少し右肩が下がるがそれも極端ではなく、フォーム全体のバランスの良さも目立った。

西尾典文 主任研究員

西尾典文
  • 1979年、愛知県生まれ。大学まで選手としてプレーした後、筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から技術解析などをテーマに野球専門誌に寄稿を開始。修了後もアマチュア野球を中心に年間約300試合を取材し、全国の現場に足を運んでいる

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