法政大・高田孝一 (撮影・西尾典文)

ドラフト候補!法政大「高田孝一」が見せた「山口俊」を彷彿とさせる成長ぶり

 新型コロナウイルスの感染拡大により、高校野球の春季大会がすべて中止されるなど、アマチュア球界にも大きな影響が出ている。このため、各球団のスカウトがドラフト候補を視察できない異常事態に陥ってしまった。こうした状況を踏まえて、プロアマ野球研究所(PABB lab)は、過去の試合から有望選手をピックアップして、今後のドラフト戦線がどのように動いていくのか、独自に分析していきたい。今回は、今秋のドラフトので指名候補にあがる法政大の4年生右腕を紹介したい。

【2019年10月6日】東京六大学野球秋季リーグ戦 神宮球場

明治大1-2法政大

 この試合で注目したのは、法政大の先発マウンドに上がった高田孝一(4年・投手・平塚学園)。初めて見たのは高校1年秋の桐蔭学園戦。8回を投げて5安打1失点完投(コールドゲーム)と見事なピッチングを見せている。この時の最速は137キロだったが、フォームの良さと回転の良いストレートは強く印象に残った。ちなみに現地では見られなかったが、二日後には翌年の夏に全国制覇を果たすことになる東海大相模を相手に延長12回を一人で投げ抜き、1失点完投勝利をマークしている。しかしながら、高校時代はこの時がピークの印象が強く、大学でも2年時から先発を任されてはいたものの、強いインパクトを残すようなことはなかった。

 だが、この日の高田はそれまでの印象を大きく変えるピッチングを披露する。まず、体つきが大きくなり、スピードが速くなった。序盤から145キロを超えるスピードを連発し、最速は148キロをマーク。相手の先発はこの後のドラフト会議でDeNAから3位指名を受ける伊勢大夢で、伊勢も150キロ台を連発していたが、ストレートの質という意味では高田の方が上回っているように見えた。

 フォームは左足をゆったり上げて、しっかりと軸足に体重を乗せてからステップできているのが大きな長所。躍動感がアップして、上手く下半身と上半身が連動しているように見える。以前と比べると左肩の開きが少し早くなっているように見えるが、まずはボールの強さを出そうとしているようにも見え、そこまで嫌な感じはしなかった。

西尾典文 主任研究員

西尾典文
  • 1979年、愛知県生まれ。大学まで選手としてプレーした後、筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から技術解析などをテーマに野球専門誌に寄稿を開始。修了後もアマチュア野球を中心に年間約300試合を取材し、全国の現場に足を運んでいる

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