前橋育英・須永武志 (撮影・西尾典文)

前橋育英・須永武志 全国屈指“強肩強打”の高校生捕手がドラフト戦線に浮上!

 新型コロナウイルスの感染拡大により、高校野球の春季大会がすべて中止されるなど、アマチュア球界にも大きな影響が出ている。このため、各球団のスカウトがドラフト候補を視察できない異常事態に陥ってしまった。こうした状況を踏まえて、プロアマ野球研究所(PABB lab)は、過去の試合から有望選手をピックアップして、今後のドラフト戦線がどのように動いていくのか、独自に分析していきたい。今回は、前橋育英で存在感を放った強肩強打の捕手だ。

【2019年9月29日】秋季高校野球群馬県大会決勝戦 桐生球場

桐生第一4-1前橋育英

 惜しくも優勝を逃した前橋育英だが、圧倒的な存在感を示したのが捕手の須永武志(3年)だ。旧チームでも正捕手として活躍しており、昨年夏はチームの甲子園出場にも大きく貢献している。群馬大会の決勝ではプロ入りした前橋商の井上温大(巨人4位)からもタイムリーを放っている。また甲子園では初戦で国学院久我山に敗れたものの、イニング間のセカンド送球では1.91秒をマークし、打ってもツーベースを放つなど攻守に存在感を示した。

 この日もイニング間のセカンド送球は最速で1.88秒をマーク。また、合計で7回計測することができたが、そのうち5回が2.00秒を下回り、残りの2回も2.00秒と2.04秒という数字だった。コンスタントにこれだけのタイムを記録できる高校生捕手は滅多にいない。実戦でも7回には見事なスローイングで盗塁を阻止して見せた。捕手にしては少し細身に見えるが、下半身の強さがあり、フットワークの良さも申し分ない。

 バッティングもリストの強さが光るが、決してそれに頼り過ぎないのが長所だ。大きく構えて下半身を使ってタイミングをとり、バランスの良いスイングも光る。この日のヒットは第一打席のレフト前ヒット1本だったが、凡打でもしっかりとらえた打球が多く、内容の良さが目立った。また、4打席中3打席は初球を打ったものである。4番打者として相手バッテリーから厳しくマークされている中で、これだけ初球から振れるというのは技術の高さを表していると言えるだろう。