徳山大・入江諒(撮影・西尾典文)

智弁和歌山出身の1年生、徳山大・入江諒の木製バットに対応できる“打撃技術”

 新型コロナウイルスによる感染拡大の脅威が日本中に広がっているが、一部の大学野球のリーグ戦は感染対策を講じながら、公式戦を開始した。今回、取り上げるのは、4月4日に開幕した「中国六大学野球」の春季リーグ。中国六大学野球とは、20大学で構成される中国地区大学野球連盟の一部リーグにあたる。ただ、今年の春季リーグは、福山大がウイルス対策で活動を休止しているため、4月中は“5大学”で行う予定だ。リーグ戦史上初となる“5大学”でスタートした「中国六大学野球」でプロ注目の選手を特集する。

【4月4日】中国地区大学野球春季リーグ戦 倉敷マスカットスタジアム

吉備国際大3-2徳山大(延長11回タイブレーク)

 昨年秋の明治神宮大会後に行われた大学日本代表候補合宿で中国地区大学野球連盟から唯一選出されていたのが徳山大の中村拓貴(4年・長門)だ。171cmと上背はないものの、たくましい体格でパンチ力のある打撃は光るものがあり、紅白戦では先日紹介した宇田川優希(4年・仙台大)からもタイムリーツーベースを放っている。ただ、この日は4番、センターで出場し、二つの四球を選んだが、快音は聞かれず、翌日の試合と合わせて二日間で7打数ノーヒットに終わった。力感はあるものの少し打ちたいという気持ちが先走り、アウトステップも気になった。リーグ戦は第2週の開催が見送られただけに、打つ形を見直す良い機会にしてもらいたい。

 その一方、新戦力で目についたのは徳山大の入江諒(1年・智弁和歌山)だ。1年生ながら5番、ファーストで先発出場を果たすと、9回裏には四球で出塁した中村を一塁に置いて、チャンスを広げるセンター前ヒットを放ち、リーグ戦初安打をマークした。智弁和歌山時代は3年春の選抜では背番号5でベンチ入りしたものの、下級生の台頭もあって出場機会はなく、夏の甲子園でも代走のみの起用に終わっている。

 しかし、智弁和歌山は普段から木製バットで練習していることもあってか、この日も1年生とは思えない堂々としたスイングを見せていた。力みなく自然体で構え、無駄な動きがなく鋭い振り出しが特徴。智弁和歌山で一桁の背番号をつけていただけあって、打撃技術には確かなものを感じる。また、送りバントを含め、4打席中3打席で初球が結果球になっていることからも分かるように、積極的にバットを振れるのも持ち味だ。

西尾典文 主任研究員

西尾典文
  • 1979年、愛知県生まれ。大学まで選手としてプレーした後、筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から技術解析などをテーマに野球専門誌に寄稿を開始。修了後もアマチュア野球を中心に年間約300試合を取材し、全国の現場に足を運んでいる

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