東北公益文科大・赤上優人(撮影・西尾典文)

“無名大学”のエースにスカウト陣が熱視線…東北公益文科大「赤上優人」は最速153キロ

 この日も先発のマウンドに上がると、立ち上がりから140キロ台後半のスピードを連発して、2回、3回には大台の150キロをマーク。4回にエラーが絡んで1点は失ったものの、5回を被安打2、自責点0、5奪三振、2四死球と上々のピッチングを見せた。昨年見た時と比べて下半身の安定感が明らかにアップし、フォームの流れがスムーズになった。175cmと決して上背があるわけではないが、真上からきれいに縦に腕を振ることができており、ボールの角度も申し分ない。最近では投げる投手の少ない大きいカーブで上手く緩急をつけられるので、ストレートがより速く感じられる。スライダーは少し変化が早いものの、鋭く落ちるフォークのブレーキも十分だった。

 フォームで少し気になるのが一塁側に体が流れるところ。中盤はそれが顕著になり、ストレートのシュート回転も目立った。もう一つは走者を背負ってからのピッチング。昨年見た時もそうだったが、走者を背負ってのクイックタイムが速くても1.3秒台とかなり時間がかかっており、機動力を使ってくるチームであればそこに付け込んでくることが予想される。高いレベルで活躍するには必ず改善が必要なポイントと言えるだろう。

 ただ、それでも投げているボールの質は高く、内野手出身だけあってフィールディングも見事である。東北公益文科大は全国的にはまだまだ無名のチームだが、このまま順調にいけば同大学から初となるプロ野球選手誕生の可能性は高い。

 一方、独協大の1番、センターで出場した並木は赤上の前に3打席ノーヒットに終わったが、第3打席のセカンドゴロでは3.88秒、第4打席のバントでは3.56秒という圧巻の一塁到達タイムを見せて自慢の足をアピールした。センターから見せるスローイングも強さは十分であり、こちらも今後のアピール次第ではプロへの道が開ける可能性は十分にあるだろう。

この日の成績

赤上:5回 被安打2 1失点(自責点0) 5奪三振 2四死球

並木:4打席3打数0安打1犠打

ショートゴロ・セカンドフライ・セカンドゴロ・犠打

(文・PABB主任研究員・西尾典文)

西尾典文 主任研究員

西尾典文
  • 1979年、愛知県生まれ。大学まで選手としてプレーした後、筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から技術解析などをテーマに野球専門誌に寄稿を開始。修了後もアマチュア野球を中心に年間約300試合を取材し、全国の現場に足を運んでいる

Twitter ID: @ajihiraita