JFE東日本・今川優馬(撮影・西尾典文)

プロ注目のスラッガー、JFE東日本・今川優馬が確立した“フライボール革命”

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、あらゆるスポーツイベントが中止、延期に追い込まれている。アマチュア野球もそれは例外ではなく、今年の選抜甲子園は中止となった。キャンプを自粛するチームが出てきているが、シーズン開幕に向けてオープン戦は始まっている。各地で行われた試合から、目に付いた選手をレポートしたい。 今回は、3月13日に行われた HondaJFE東日本 を取り上げる。

【3月13日】 Honda 9-8 JFE東日本

 昨年の都市対抗野球で初優勝を飾ったJFE東日本。今年のチームは多くのドラフト候補を抱えているが、中でも注目度の高い一人が今川優馬(23歳早生まれ・外野手・東海大四→東海大北海道)だ。東海大四(現東海大札幌)時代に夏の甲子園に出場しているが、春に追った負傷の影響もあって背番号は16で、代打での1打席に終わっている。そんな無名選手だった今川が開花したのは東海大北海道に進学後。4年春は5本、秋は4本のホームランを放つ活躍を見せて、一躍ドラフト候補となった。大学4年時にプロからの指名はなかったが、JFE東日本でも1年目から外野の一角を獲得すると、先述した都市対抗でも新人賞にあたる若獅子賞を受賞する活躍をみせた。宮川哲(西武1位)からもライトへ豪快な一発を放っている。

 昨年は2番を任せられていたが、この日は3番・ライトで出場。ノーアウト二塁・三塁のチャンスで迎えた第一打席に同じく今年のドラフト候補である河端優馬(24歳・高岡商青山学院大)からレフト前タイムリーを放った。今川のバッティングスタイルは一言で言えばかなり独特である。左足を上げて、右の脇をあけてバットのヘッドを投手方向に向けてトップの形を作る。そこから左の脇をあけて少し緩やかなアッパーの軌道でボールをとらえるのだ。バットをボールの軌道に合わせようという意識が強く、それが上手くはまると見事な弾道で打球は飛んでいく。

 しかし、その一方でインハイの速いボールへの対応は難しい打ち方である。この日も社会人を代表する捕手であるHondaの辻野雄大は執拗に速いボールを内角に要求し、2打席目以降はフライアウト二つ、四球を一つ挟んで最後の打席は空振り三振に打ち取られている。

 フライアウトを嫌う昔ながらの日本野球では受け入れられづらい打ち方だが、今川の強さはそのスタイルが確立されているということだ。1年目の昨年、大舞台で結果を残したことで、この日のようにマークが厳しくなることは間違いないが、そんな中でも結果を残し続けられるかがドラフト指名へのポイントとなりそうだ。