巨人ドラ4位「井上温大」は将来性大 “先発の柱”狙える成長を期待だ!

 PABB labでは10月17日に行われたドラフト会議前にも多くの候補選手を取り上げたが、当日までにおさまりきらなかった指名選手について改めてどんな選手なのか、プロに入ってから活躍するためのポイントはどこになるか、いつ頃一軍の戦力として考えられるかなどについて紹介したい。

井上温大(前橋商→巨人4位)

投手 174cm 68kg 左投左打

・3年夏の群馬大会成績

6試合 50回1/3 被安打38 45奪三振 16四死球 12失点

・報道されている最速:144キロ

・西尾が現場で見た最速:139キロ

・1年目の目安:後半戦に二軍デビュー

・期待される将来像:左の先発投手

 昨年に続いて今年も高校生を多く指名した巨人。その中で今回取り上げるのは4位指名となった井上だ。昨年秋の時点ではそれほど評判にはなっておらず、名前を聞くようになったのは今年の春だった。噂では、とにかくフォームがきれいだということ。それを聞いて夏の群馬大会に足を運んだ。

 実際に見たのは初戦の対富岡戦。まず驚かされたのがプロ球団のスカウトの多さだ。翌日のスポーツ紙によると、井上を目当てに集まったのは9球団、35人を数えたとのこと。この日は他の有力選手が登場する試合が少なかったことを差し引いても、井上に対する注目度の高さが感じられた。

 井上は、集結したスカウト陣の前で、評判通りのピッチングを見せる。スピードはアベレージ130キロ台中盤がアベレージで、この日の球場表示では最速139キロと最近の高校生にしては平凡だったが、それ以上に目立ったのはやはりフォームの良さだ。下半身も肘の使い方もとにかく柔らかさがあり、無駄な動きがなく真上からきれいに腕を振り下ろすことができる。

ただ、柔らかいだけでなく、フォームにメリハリがあり、体重移動にスピードがあるのも長所だ。特に高校生の左投手の場合、体重が後ろに残ることや投げ終わった後に体が三塁側に大きく流れてしまってストレートがシュート回転するケースが多いが、井上はそういう悪いクセが全く見えない。また上背以上にボールの角度もあり、130キロ台でも打者が差し込まれることが多かった。

 課題はとにかく体作りになるが、逆に言えばこれだけフォームが良ければ、体の成長とともにボールに凄みが出てくる可能性が高い。1年目はしっかり体を作って、2年目か3年目に一軍デビュー。将来的には先発の柱となれるような成長を期待したい。

(文・PABB主任研究員・西尾典文)

西尾典文 主任研究員

西尾典文
  • 1979年、愛知県生まれ。大学まで選手としてプレーした後、筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から技術解析などをテーマに野球専門誌に寄稿を開始。修了後もアマチュア野球を中心に年間約300試合を取材し、全国の現場に足を運んでいる

Twitter ID: @ajihiraita