楽天にドラフト2位で指名された智弁和歌山・黒川史陽(撮影・西尾典文)

楽天ドラ2位「黒川史陽」智弁和歌山が誇る好打者が“不動の中軸”を狙う

 PABB labでは10月17日に行われたドラフト会議前にも多くの候補選手を取り上げたが、当日までにおさまりきらなかった指名選手について改めてどんな選手なのか、プロに入ってから活躍するためのポイントはどこになるか、いつ頃一軍の戦力として考えられるかなどについて紹介したい。今回は高校球界が誇る万能タイプの強打者だ。

黒川史陽(智弁和歌山→楽天2位)

投手 182cm 85kg 右投左打

・甲子園通算成績

13試合 55打数16安打1本塁打11打点1盗塁 打率.291

・走塁タイム 一塁到達:4.26秒 二塁到達:7.87秒 三塁到達:11.71秒

・1年目の目安:二軍で80安打、5本塁打

・期待される将来像:銀次の後釜として長く中軸を任される選手

 1年夏から5季連続で甲子園に出場し、その全ての大会でヒットを放った左の強打者。そのプレーを最初に見たのは1年秋の近畿大会、対法隆寺国際戦で、この試合で3番、サードで出場した黒川は4打数4安打1本塁打3打点と強烈なインパクトを残した。当時のノートには「少しヘッドが中に入るが、ゆったりとした動きでタイミングをとり、ボールをとらえるポイントを持っている。体の回転が鋭く、少し詰まっても打球が鋭い。芯でとらえると楽々スタンドイン」と書かれており、非凡な打撃センスがうかがわれる。当時は1学年上の林晃汰(広島)が強打者として評判になっていたが、打つ形に関しては黒川の方が良いと感じたことをよく覚えている。

 しかし、2年夏の甲子園くらいから、長打を打ちたいという気持ちが強くなったせいか、ヘッドが中に入って体が「逆くの字」になる動きが大きくなり、先輩の林の悪いクセを踏襲してしまっているように見えた。それでも結果は残していたが、そのつけが出たのが夏の甲子園だ。春よりは無駄な動きは少なくなったものの、自分のポイントでとらえる打球はほとんどなく、3試合で16打数1安打という結果に終わっている。

西尾典文 主任研究員

西尾典文
  • 1979年、愛知県生まれ。大学まで選手としてプレーした後、筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から技術解析などをテーマに野球専門誌に寄稿を開始。修了後もアマチュア野球を中心に年間約300試合を取材し、全国の現場に足を運んでいる

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