広島にドラフト2位で指名された法政大学の宇草孔基(撮影 西尾典文)

広島ドラ2位「宇草孔基」に大きな試練 イップスを克服できるのか?

 PABB labでは10月17日に行われたドラフト会議前にも多くの候補選手を取り上げたが、当日までにおさまりきらなかった指名選手について改めてどんな選手なのか、プロに入ってから活躍するためのポイントはどこになるか、いつ頃一軍の戦力として考えられるかなどについて解説していきたい。今回は東京六大学が誇る俊足強打の外野手だ。

宇草孔基(常総学院→法政大→広島2位)

外野手 185cm 83kg 右投左打

・リーグ戦通算成績

47試合45安打7本塁打21打点11盗塁 打率.250

・走塁タイム

一塁到達:3.82秒 三塁到達:11.64秒

 近い将来、チームの主砲、鈴木誠也のメジャー移籍という大問題が降りかかることが予想される広島。そんなチーム事情の中で、次代の外野手のレギュラー候補として2位で指名したのがこの宇草だ。常総学院時代からそのスピード溢れるプレーには定評があり、3年春に出場した選抜大会では3試合で8盗塁、米子北戦では大会タイ記録となる1試合5盗塁もマークしている。

 当時、宇草のこのプレーぶりを見ていた広島の苑田聡彦スカウト統括部長は「カモシカみたいな足だね!」と嬉しそうに語っていた。チームカラーに合っているということもあって、この時から宇草についてマークしていたことは間違いないだろう。ちなみに当時はセカンドを守っており、本格的に外野手に転向したのは大学進学後である。

 だが、法政大学での4年間は決して順風満帆だったわけではない。1年春からベンチ入りを果たすものの、木製バットに苦労し、最初の5シーズンで放ったヒットはわずかに3本。ようやくレギュラーをつかんだのは昨年の秋だった。そこから2シーズン続けて3割を超える打率を残し、最終学年で大学日本代表入りも果たす。ドラフト候補に浮上してきたタイミングとしては、滑り込みという印象である。しかし、最後のシーズンは打率.100と大不振に陥っており、2位という高評価は意外なものであった。

西尾典文 主任研究員

西尾典文
  • 1979年、愛知県生まれ。大学まで選手としてプレーした後、筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から技術解析などをテーマに野球専門誌に寄稿を開始。修了後もアマチュア野球を中心に年間約300試合を取材し、全国の現場に足を運んでいる

Twitter ID: @ajihiraita