苫小牧駒大・伊藤大海(撮影・西尾典文)

まるで“炎のストッパー”津田恒実…苫小牧駒沢大「伊藤大海」がみせた直球勝負

 来年6月に行われるハーレムベースボールウィーク(オランダ)に出場する侍ジャパン、大学代表候補の選考合宿が11月30日から3日間にわたって行われた。この合宿で目に付いた選手について紹介するレポート。今日は北海道の大学球界史上最高との呼び声高い本格派右腕だ。

伊藤大海(苫小牧駒沢大・3年・176cm・80kg・右投左打・駒大苫小牧)

紅白戦成績:2回 被安打0 失点0 奪三振4 四死球0 最速146キロ

 今回の代表候補合宿で、投手で最も強いインパクトを残した選手となると、この伊藤になるだろう。2日目の紅白戦第1試合に紅組の先発としてマウンドに上がると、下山悠介(慶応大・1年・内野手・176cm・79kg・右投左打・慶応)、栄枝裕貴(立命館大・3年・捕手・179cm・79kg・右投右打・高知)、川村友斗(仙台大・2年・外野手・181cm・80kg・右投左打・北海)を相手にいきなり三者連続三振という抜群の立ち上がりを見せる。2回は並木秀尊獨協大・3年・外野手・170cm・70kg。右投右打・市立川口)を粘られながらもセカンドゴロ、続く小川晃太朗(同志社大・3年・外野手・180cm・75kg・右投右打・龍谷大平安)も力のないセカンドゴロに打ちとり、最後の打者となった大石航輝(天理大・3年・外野手・172cm・80kg・左投左打・大阪桐蔭)も空振り三振に切ってとった。この2イニングで伊藤が投じた30球のうち、実に29球がストレート。大石相手に一球だけ投げたのもスローカーブであり、ほとんど変化球を使わずにこれだけのピッチングができるというのは凄いの一言だ。

 この日の最速は146キロと、伊藤にしては平凡な数字だったが、それでも打者が差し込まれるというのはフォームとボールの質が良いからに他ならない。以前と比べてもテイクバックで右肩が下がる動きが小さくなり、左肩の開きをギリギリまで抑えて体の近くで沿うように縦に腕が振れるので、打者はボールの出所が見づらい。肘もしっかり高く上がり、上背以上にボールの角度があるのも持ち味だ。時折、声をあげながらストレートで打者を圧倒するスタイルは、1980年代に活躍して「炎のストッパー」と呼ばれた津田恒実(元広島)を彷彿とさせるものがあった。