遊学館・土倉瑠衣斗 (撮影・西尾典文)

遊学館「土倉瑠衣斗」、大型“二刀流”に見た大器の片鱗

 11月23日と24日に三重県熊野市近郊で行われた『くまのベースボールフェスタ・練習試合in熊野2019』。2005年から本格的に始まった全国の強豪が集まる練習試合で、今年は以下のチームが参加した。

鶴岡東(山形)、関東第一(東京)、横浜隼人(神奈川)、長野日大(長野)、大府、豊田大谷(愛知)、遊学館(石川)、敦賀気比(福井)、報徳学園(兵庫)、創志学園(岡山)【地元参加】近大新宮(和歌山)、木本、近大高専、尾鷲、白山(三重)

 昨年は西純矢(創志学園→阪神1位)、木下元秀(敦賀気比→広島育成2位)などがプレーしており、毎年ドラフト候補も多く参加している。そんな『くまのベースボールフェスタ・練習試合in熊野2019』のレポート、今日は第2日の第1試合と第2試合をお届けする。

【第2日 熊野スカイパーク球場 第1試合、第2試合】

白山5-6×遊学館(9回サヨナラ)

遊学館1-2報徳学園

遊学館・土倉瑠衣斗(撮影・西尾典文)

 この2試合でまず目立ったのが遊学館の土倉瑠衣斗(1年・一塁手兼外野手兼投手・182cm・80kg・右投右打)だ。背番号は3をつけているが、前日の近大高専との試合とこの日の白山との試合はライトで出場している。プロフィールの数字を見ても分かるように1年生とは思えない堂々とした体格で、力みがなく大きく構えられるのがいい。タイミングをとる動きも極めて小さく、リストの強いスイングも目立つ。第1試合は2打席で交代したものの、第1打席で右中間へのツーベース、第2打席ではセンター前へのタイムリーヒットを放つ活躍を見せた。少しだけヘッドが外回りするのは気になるが、大型の右打者としての素材は十分だ。第2試合では先発のマウンドに上がり、投手としても才能の片鱗を見せた。スピードは最速132キロとまだまだだが、軸足一本で真っ直ぐに立ち、しっかりとためを作ってからステップできるのが長所。フォーム全体のバランスも良く、コントロールも安定している。体ができてくれば、140キロは軽く出そうな雰囲気があった。野手、投手両面で今後期待したい選手である。

報徳学園・久野悠人(撮影・西尾典文)

 報徳学園で目立ったのは先発のマウンドに上がった久野悠人(1年・投手・183cm・72kg・左投左打)だ。まだまだ見るからに細く、最速も130キロだったが、フォームに目立って悪いところがないのが長所。右肩の開きを我慢し、体の近くで縦に腕が振れるため、左右のコントロールが安定している。大型サウスポーにありがちな粗っぽさが感じられず、指先の感覚の良さも目立った。くまのスタジアムへの移動のため見られたのは3回までだったが、遊学館打線をノーヒット、1死球に抑えた投球は見事だった。体重の増加とともにスケールアップが期待できる楽しみなサウスポーである。

(文・PABB主任研究員・西尾典文)

西尾典文 主任研究員

西尾典文
  • 1979年、愛知県生まれ。大学まで選手としてプレーした後、筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から技術解析などをテーマに野球専門誌に寄稿を開始。修了後もアマチュア野球を中心に年間約300試合を取材し、全国の現場に足を運んでいる

Twitter ID: @ajihiraita