中央大・五十幡亮汰 (撮影・西尾典文)

サニブラウンに勝った男「中央大・五十幡亮汰」が見せた驚異の“走力”【明治神宮大会】

 高校の部は中京大中京、大学の部は慶応大の優勝で幕を閉じた明治神宮野球大会。PABB labでは目についた試合、選手についてレポートしていきたい。今回は第4日の第4試合、東海大と中央大の試合についてお届けする。

【第4日・大学の部】 東海大7-3中央大

 序盤の3点のビハインドを跳ね返して東海大が準決勝進出を決めたが、まず紹介したいのは中央大の五十幡亮汰(3年・2番・中堅手・171cm・70kg・右投左打・佐野日大)だ。中学時代には野球と陸上を掛け持ちし、全国大会の100mと200mでいずれも、サニブラウン・ハキーム( 陸上男子100メートルで9.97秒の日本記録保持者 )を破って日本一となった俊足の持ち主だ。

中央大・五十幡亮汰(撮影・西尾典文)
中央大・五十幡亮汰(撮影・西尾典文)

 高校、そして大学の2年間でもなかなかパワーがつかずに足踏みが続いていたが、ここへ来て体重も増えてやっとドラフト候補らしくなってきた。1回裏の第1打席に四球で出塁すると、アマチュアナンバーワンの強肩捕手である海野隆司(東海大・4年・4番・捕手・174cm・78kg・右投右打・関西)から盗塁を決めていきなりその脚力を見せつけると、続く2回表の守備では、その海野の右中間に抜けようかという大飛球に対して、快足を飛ばしてキャッチするファインプレーで観衆を沸かせた。第2打席では左中間にツーベース。第3打席ではサードへの内野安打を放ち、この時の一塁到達タイムは3.87秒をマークした。どうしても足に注目が集まるが、センターから見せる強肩ぶりも間違いなく大学球界トップクラス。プロでも走塁と守備のスペシャリストになれる存在である。

中央大・牧秀悟(撮影・西尾典文)
中央大・牧秀悟(撮影・西尾典文)

 先日このPABB labで取り上げた中央大の主砲、牧秀悟(3年・4番・二塁手・178cm・83kg・右投右打・松本第一)はこの日も攻守にさすがというプレーを見せた。ヒットは1本だけだったものの、内角寄りのストレートをとらえたレフトオーバーのタイムリーツーベースは思わず声が漏れるほどの迫力だった。また、セカンドの守備でも4回にセンターに抜けようという打球を逆シングルで好捕(記録は内野安打)。6回にも同じような打球を再び逆シングルでさばき、素早い送球で今度はアウトにして見せた。来年の大学球界の野手では間違いなく筆頭格と言える存在だ。

中央大・古賀悠斗(撮影・西尾典文)
中央大・古賀悠斗(撮影・西尾典文)

 中央大は古賀悠斗(2年・8番・捕手・172cm・75kg・右投右打・福岡大大濠)も高校時代から注目の捕手。この日は初回にいきなり盗塁を刺す見事なスローイングを見せ、実戦ながら1.95秒というタイムを計測している。上背はないものの体の強さがあり、捕手らしい雰囲気も十分だ。打っても2安打1打点と活躍を見せたが、外のボールに対して踏み込みが弱いのが課題。打撃面がパワーアップしてくれば、再来年のプロ入りも見えてくるだろう。

東海大・海野隆司(撮影・西尾典文
東海大・海野隆司(撮影・西尾典文

 東海大ではソフトバンクから2位指名を受けた海野がさすがのプレーを見せた。前述したように五十幡には盗塁を許したものの、イニング間のセカンド送球では圧巻の1.78秒をマーク。打っても狙いすました右打ちでライトへツーベースを放った。チームには甲斐拓也という強力なライバルが立ちはだかっているが、しっかりと持ち味を発揮して、早い段階で2番手捕手の座をつかみたい。

(文・PABB主任研究員・西尾典文)

西尾典文 主任研究員

西尾典文
  • 1979年、愛知県生まれ。大学まで選手としてプレーした後、筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から技術解析などをテーマに野球専門誌に寄稿を開始。修了後もアマチュア野球を中心に年間約300試合を取材し、全国の現場に足を運んでいる

Twitter ID: @ajihiraita