星稜・内山壮真(撮影・西尾典文)

星稜対明徳義塾、因縁の対決でみせた“ドラフト候補”の躍動【明治神宮大会】

 11月15日に開幕した明治神宮野球大会。PABB labでは目についた試合や選手についてレポートしていきたい。今回は第1日の第2試合、明徳義塾と星稜の試合についてお届けする。

【第1日・高校の部】 明徳義塾8-5星稜

星稜・ 内山壮真 (撮影・西尾典文)
星稜・ 内山壮真 (撮影・西尾典文)

 1992年の夏の甲子園で松井秀喜の5敬遠が生まれた因縁の対決ということもあって、スタンドは多くの高校野球ファンが詰めかけた。そんな中でまず高いパフォーマンスを見せたのが内山壮真(2年・4番・捕手・172cm・72kg・右投右打)だ。旧チームでは山瀬慎之助(巨人ドラフト5位)がいたこともあってショートを任されていたが、新チームでは、本職のキャッチャーにコンバート。この日のイニング間のセカンド送球では1.87秒というタイムをマークした。内山の良さは捕球から送球までの速さ。ボールの勢いは山瀬の方が圧倒的に上だが、動きの速さでタイムはほぼ変わらないレベルにある。実戦でも二つの盗塁阻止を見せた。課題はブロッキング。4回には二つの後逸(記録はワイルドピッチ)があったが、一つ目は股間を抜けたもので、投手からすると止めてほしいボールだった。全体的に重心をもう少し低くすることが必要だろう。打つ方もレフト前ヒット2本を放ったが、少し無駄な動きが多い点が気になるところだ。また、走塁に対する意識ももう少し高くしたい。

星稜・ 知田爽汰 (撮影・西尾典文)
星稜・ 知田爽汰 (撮影・西尾典文)

 内山とともに旧チームから中軸を務める知田爽汰(2年・3番・三塁手・174cm・75kg・右投左打)はバッティングで目立った。ヒットは第3打席のツーベース1本だったが、内山とは対照的に無駄な動きがなく、鋭い振り出しは出色。スイングの軸もぶれない。体はそれほど大きくないが長打力も申し分ない。もう少し左方向への意識が出てくると、さらに怖い打者になりそうだ。

星稜・中田達也(撮影・西尾典文)
星稜・中田達也(撮影・西尾典文)

 星稜でもう一人目立ったのが1年生ながら5番に入った中田達也(1年・5番・中堅手・174cm・75kg・右投両打※登録は両打だがサウスポー相手にも左打席)。タイミングをとる動きが実にゆったりしており、ボールをしっかり呼び込めるのが長所。コースに逆らわずに広角に鋭いライナーを放ち、ヒットは1本でも凡打の内容が良かった。来春の選抜では知田、内山のマークが厳しくなることが予想されるだけに、キーマンとなる存在だ。

明徳義塾・ 鈴木大照 (撮影・西尾典文)
明徳義塾・ 鈴木大照 (撮影・西尾典文)

 明徳義塾で存在感を見せたのが鈴木大照(2年・3番・捕手・170cm・68kg・右投右打)。春の四国大会でも目立ったが、その時に比べて攻守とも確実にレベルアップを見せていた。少し高めに浮くのは課題だが、イニング間のセカンド送球は最速1.95秒をマークし、フットワークの良さも申し分ない。打つ方でも第2打席で先制点に繋げるライト前ヒット、第3打席で試合を決定づけるスリーランと大活躍だった。小柄だが今後の成長次第では上のレベルも狙える素材である。

(文・PABB主任研究員・西尾典文)

西尾典文 主任研究員

西尾典文
  • 1979年、愛知県生まれ。大学まで選手としてプレーした後、筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から技術解析などをテーマに野球専門誌に寄稿を開始。修了後もアマチュア野球を中心に年間約300試合を取材し、全国の現場に足を運んでいる

Twitter ID: @ajihiraita