大阪商業大・大西広樹(撮影・西尾典文)

ヤクルトと中日、大商大「ドラフト指名投手」は明暗分かれる【明治神宮大会】

 明治神宮野球大会が11月15日に開幕した。PABB labでは、目についた試合や選手についてレポートしていきたい。第1回は第1日の第3試合、大阪商業大と東海大札幌の試合についてお届けする。

【第1日・大学の部】 大阪商業大0-2東海大札幌

 大阪商業大の先発は先日のドラフト会議でヤクルトから4位指名を受けた大西広樹(4年・投手・176cm・80kg・右投右打・大商大高)。リーグ戦の通算成績は27勝2敗、最優秀投手に5度輝くなど、関西六大学ではほぼ無敵と言える右腕だが、この日は立ち上がりからストレートの勢い、コントロールともにもうひとつという内容だった。クリーンヒットこそなかったものの、初回にいきなり4安打を浴びて1点を失うと、2回にも内野安打と相手投手に四球を与えたところで降板。ストレートの大半は130キロ台後半で、最速も141キロ。来年から本拠地となる神宮のマウンドで悔しい学生生活最後の投球となった。

中日にドラフト2位で指名された 大阪商業大・橋本侑樹(撮影・西尾典文)
中日にドラフト2位で指名された 大阪商業大・橋本侑樹(撮影・西尾典文)

 大西の後を受けてマウンドに上がったのは中日2位指名の橋本侑樹(4年・180cm・78kg・左投左打・大垣日大)。最終学年で大きく評価を上げたサウスポーだが、この日も大西とは対照的に見事なピッチングを展開する。大西の招いた無死一・二塁のピンチを見逃し三振、ファーストゴロ、サードゴロで切り抜けると、次の回以降も簡単に打者を打ち取っていった。少し体重が後ろに残るのは気になるものの、高い位置から縦に腕が振れ、角度のあるストレートはコンスタントに145キロ以上をマーク(この日の最速は148キロ)。スライダーは縦に鋭く変化するものと、少し横に滑るボールを投げ分け、どちらも空振りを奪えるだけのキレがある。また130キロ台のスピードがありながら、急激にブレーキのかかるチェンジアップも素晴らしい。そしてストレートとこの変化球で上手くコンビネーションを作れるところが橋本の良さである。7回裏に1点は失ったものの、6回を投げて被安打2、6奪三振としっかりと試合を立て直して見せた。球数が多くなるとストレートが浮くのは課題だが、リリーフであれば1年目から戦力となる可能性も十分にあるだろう。

西尾典文 主任研究員

西尾典文
  • 1979年、愛知県生まれ。大学まで選手としてプレーした後、筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から技術解析などをテーマに野球専門誌に寄稿を開始。修了後もアマチュア野球を中心に年間約300試合を取材し、全国の現場に足を運んでいる

Twitter ID: @ajihiraita