上武大・古川裕大(撮影・西尾典文)

“群雄割拠”の大学球界 上武大の「ドラフト有力捕手」が圧倒的な存在感【横浜市長杯】

 今月15日から明治神宮野球場で行われる第50回明治神宮野球大会。大学の部は東京六大学、東都大学の2連盟を除いて、各連盟の上位校が出場決定戦を勝ち抜かないと出場できない仕組みとなっている。中でも厳しい戦いとなるのが関東の5連盟が2つの出場枠を争う横浜市長杯だ。千葉県大学野球連盟、関甲新学生野球連盟、東京新大学野球連盟、首都大学野球連盟、神奈川大学野球連盟の強豪が揃い、10月28日から4日間にわたり熱戦が繰り広げられた。その初日の様子を目についた選手を中心に3日間にわたりレポートしたいと思う。

【第1試合】

中央学院大(千葉県大学2位)0-1上武大(関甲新学生2位)

 上武大は井納翔一(DeNA)、安達了一(オリックス)など多くのプロ野球選手を輩出し、2009年には明治神宮大会準優勝、2013年には全日本大学野球選手権で優勝を果たしているまさに“関甲新の雄”と言える強豪。一方の中央学院大も千葉県リーグでは常に上位を争い、2016年の全日本大学野球選手権では準優勝に輝いている。この秋はともにリーグ2位だったが、その実力は申し分なく、試合は1点を争う展開になった。

 まず、中央学院大で目立ったのが先発した古田島成龍(2年・投手・174cm・81kg・右投右打・取手松陽)だ。上背はないもののたくましい体格から投げ込むストレートは最速148キロをマーク。少し上半身の強いフォームで一塁側に体が流れるのは課題だが、力を入れると145キロを超える馬力は魅力だ。変化球では打者の手元で小さく動くカットボールが面白い。上手くバットの芯を外し、上武大打線を3回までパーフェクトに抑え込んだ。

 中央学院大では3番手で登板した山崎凪(2年・投手・175cm・80kg・右投右打・千葉英和)も好素材。古田島と同じく上背はそれほどないものの、ダイナミックなフォームで上から腕が振れ、ボールの角度は申し分ない。上下動の大きい少しロスの多いフォームだが、しっかりボールを抑え込み、最速は149キロをマークした。縦のスライダーも打者の手元で鋭く変化する見どころのあるボール。短いイニングならストレートとスライダーだけで抑え込むことができる。

上武大・ 古川裕大 (撮影・西尾典文)

 一方の上武大で圧倒的に目立ったのが古川裕大(3年・4番・捕手・185cm・91kg・右投左打・久留米商)だ。プロフィールよりも少し細く見えるものの、動きの良さが目立つアスリートタイプの捕手。大学日本代表では内野の守備練習にも参加していたように、フットワークの良さは大きな持ち味だ。少しテイクバックの動きが大きく、上下にボールがずれるのは課題だが、スローイングの強さも申し分ない。この日のセカンド送球の最速は1.89秒をマークした。打つ方も大きな構えでゆったりとタイミングをとることができ、打席での迫力も申し分なかった。打てる捕手として来年のドラフトの有力候補になるだろう。

西尾典文 主任研究員

西尾典文
  • 1979年、愛知県生まれ。大学まで選手としてプレーした後、筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から技術解析などをテーマに野球専門誌に寄稿を開始。修了後もアマチュア野球を中心に年間約300試合を取材し、全国の現場に足を運んでいる

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