帝京・加藤拓哉(撮影・西尾典文)

「新生・帝京」の強さはどこに? 垣間見えた “新たなチームカラー”

 11月9日、明治神宮野球場。朝10時から高校野球の秋季東京都大会準決勝の2試合、その後には東都大学野球の一部二部入替戦が行われるため、早朝から多くの野球ファンが詰めかけた。

 特に注目度が高かったのが、第一試合の帝京対創価の試合だ。春1回、夏2回の甲子園優勝を誇り、一時は“東の横綱”と言われていた帝京も2011年夏を最後に甲子園出場から遠ざかっている。しかし、この秋は関東一、日大三という近年の常連校を接戦の末に破り準決勝まで勝ち上がってきた。一方の創価は大会前から優勝候補の一角と言われており、充実の戦力を誇る強豪。準々決勝の日大二戦は少し苦しんだが、順当に勝ち上がってきた。

 試合は序盤、創価が攻勢を見せる。1回は一死一・三塁、2回は二死満塁、3回は一死二・三塁と帝京の先発、田代涼太(2年・投手・188cm・90kg・左投左打)を攻め立てるが、あと1本が出ない。ようやく試合が動いたのは4回表。二死満塁から4番、高沢春佑(1年・左翼手・175cm・71kg・右投右打)がライトへタイムリーツーベースを放ち、2点を先制する。

 一方、創価の先発・森畑侑大(2年・投手・183cm・73kg・右投右打)は序盤から安定したピッチングを見せて5回まで被安打3(内野安打2本)、無四死球、わずか57球と帝京打線を寄せつけない。細身ながら183cmの長身から投げ下ろすボールは角度があり、初回には最速140キロをマークした。

帝京・加田拓哉(撮影・西尾典文)

 前半戦の戦いぶりを見る限り、創価が圧倒的に優勢かと思われたが、ここから一気に試合が動く。6回裏、先頭の1番、武者倫太郎(2年・投手兼一塁手・176cm・70kg・右投右打)がレフトスタンドへソロホームランを放ち1点差とすると、3番の加田拓哉(2年・中堅手・175cm・77kg・右投右打)にもセンターへの一発が飛び出して、たちまち帝京が同点に追いついた。

 創価は、6回表に二死から3番の宮原光夫(2年・三塁手・178cm・78kg・右投左打)がスリーベースを放ち、9回表にも宮原のライト前ヒットとライトのエラーなどで一死三塁のチャンスを作るが、いずれも生かすことができない。

西尾典文 主任研究員

西尾典文
  • 1979年、愛知県生まれ。大学まで選手としてプレーした後、筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から技術解析などをテーマに野球専門誌に寄稿を開始。修了後もアマチュア野球を中心に年間約300試合を取材し、全国の現場に足を運んでいる

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