セガサミー・森井絃斗(撮影・西尾典文)

社会人トップ級の剛腕、セガサミー・森井絃斗の“実力”【ドラフト2020】

 社会人での森井のピッチングを初めて見たのは、今年の春先に行われたスポニチ大会。シーズン開幕の重要な大会で先発を任され、JFE西日本を相手に5回を投げて被安打1、無失点と見事な投球を見せてチームの完封勝利に貢献した。体重は高校時代の88kgから6kg増えて94kgとなり、社会人の中でも立派な体格を誇る。その体格を生かした威力十分のストレートが森井の最大の武器である。少し上半身が強いフォームで、下半身の柔軟性が不足しているのは課題だが、左肩の開きはよく我慢できており、ボールの出所も見づらい。立ち上がりからエンジン全開で140キロ台後半を連発できる馬力は、社会人でもトップクラスである。

 課題はスタミナと変化球。3月のスポニチ大会、8月の関東選抜リーグではともに5回まで無失点で抑えていたものの、4回くらいから明らかに球威が落ちているように見えた。また、変化球でこれという必殺の決め球も見当たらない。そのあたりがスピードはありながらも奪三振が少ない要因となっていると言えるだろう。

 だが、そんな課題も小さなものに見えるほど、力強いストレートには魅力がある。ドラフト解禁となる来年は、さらにそのストレートに磨きをかけて、大舞台でも見事なピッチングを見せてくれることを期待したい。

(文・PABB主任研究員・西尾典文)

西尾典文 主任研究員

西尾典文
  • 1979年、愛知県生まれ。大学まで選手としてプレーした後、筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から技術解析などをテーマに野球専門誌に寄稿を開始。修了後もアマチュア野球を中心に年間約300試合を取材し、全国の現場に足を運んでいる

Twitter ID: @ajihiraita