東海大・山崎伊織(撮影・西尾典文)

元ヤクルト「伊藤智仁」を彷彿 東海大・山崎伊織の恐るべき実力

 2019年のドラフトが終わったばかりだが、既に来年のドラフト戦線はスタートを切っている。今年は高校生投手が主役だったが、来年は大学生投手に有力候補が多い。そんな中でも現時点でナンバーワンになる可能性が高い山崎伊織(東海大)について、今シーズン見た試合のピッチングをもとに紹介したい。

山崎伊織(東海大)
投手 182cm 69kg 右投左打 明石商

観戦日1:2019年5月19日(首都大学野球 対筑波大戦)
成績:8回 被安打5 0失点 9奪三振 1死球
この日の最速:150キロ

観戦日2:2019年6月11日(全日本大学野球選手権 対立命館大戦)
成績:6回1/3 被安打5 3失点(自責点2) 8奪三振 3四球
この日の最速:153キロ

観戦日3:2019年6月13日(全日本大学野球選手権 対大阪商業大戦)
成績:4回 被安打2 0失点 7奪三振 2四死球
この日の最速:152キロ

観戦日4:2019年6月16日(全日本大学野球選手権 対佛教大戦)
成績:4回2/3 被安打7 2失点(自責点2) 3奪三振 1四球
この日の最速:148キロ

観戦日5:2019年8月26日(U18日本代表壮行試合)
成績:1回 被安打0 0失点 2奪三振 0四死球
この日の最速:147キロ

観戦日6:2019年10月28日(関東大学選手権 対関東学院大戦)
成績:7回1/3 被安打9 3失点(自責点3) 4奪三振 3四死球
この日の最速:151キロ

確認できた変化球:スライダー、フォーク

東海大・山崎伊織(撮影・西尾典文)

 山崎は今や全国的な強豪となった明石商出身。3年春には甲子園にも出場しているが、この時は登板せずに外野を守っていた。チームには吉高壮(現日本体育大)というエースがいて、本人も故障が多かったためだ。しかし、当時から素材の良さは伝えられており、投手として東海大に進学した。

 大学では、2年春に3勝をマークして頭角を現し、本格的に主戦となったのは今年からである。今シーズン初めて山崎のピッチングを見たのは、リーグ戦の優勝がかかった5月の筑波大戦だが、この日の出来は抜群だった。立ち上がりにヒットこそ許したものの、2回からはエンジン全開で毎回140キロ台後半のスピードをマークし、筑波大打線を完全に封じ込めたのだ。

 フォームの印象は少し古くて申し訳ないが、90年代、ヤクルトのエースとして活躍した伊藤智仁によく似ており、ピッチングスタイルも共通するところが多い。前述した観戦記録にもあるように、毎試合150キロ前後のスピードをマークし、打者の手元で鋭く変化するスライダーも大きな武器である。ちなみに、5月の筑波大戦では二回り目からフォークも投げていたが、この秋の関東学院大戦では1球も投げなかったように見えた。

西尾典文 主任研究員

西尾典文
  • 1979年、愛知県生まれ。大学まで選手としてプレーした後、筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から技術解析などをテーマに野球専門誌に寄稿を開始。修了後もアマチュア野球を中心に年間約300試合を取材し、全国の現場に足を運んでいる

Twitter ID: @ajihiraita