智弁和歌山・細川凌平(撮影・西尾典文)

「智弁対決」で光ったドラフト候補の逸材 “世代屈指”の外野手、その実力は…

智弁学園・前川右京(撮影・西尾典文)

 一方の智弁学園では4番の前川右京(1年・一塁手・175cm・77kg・左投左打)と大型右腕の小畠一心(1年・投手・185cm・82kg・右投右打)がチームの勝利に大きく貢献した。前川は会心の当たりこそ少なかったものの、5打数4安打2打点をマークし、4番の役割を果たした。体が一塁側に流れずにしっかりと残して強く振れるため、少し芯を外してもヒットにすることができる。力任せではなく、広角に打ち分ける上手さがあるのも長所だ。打つ以外のプレーが平凡なのは課題だが、これからその点もレベルアップしてもらいたい。

智弁学園・小畠一心(撮影・西尾典文)

 小畠は7回途中からマウンドに上がり、失策絡みで2点は失ったものの(自責点は0)、智弁和歌山の反撃を断ち切ってしっかり試合を締めた。少し窮屈に見えるくらい左肩が開かないことを意識できており、上から投げ下ろすストレートの角度は十分。大型だが器用さがあり、変化球でカウントがとれるのも1年生離れしている。少し腰痛があるとの影響からかストレートの最速は137キロだったが、まだまだ速くなる可能性は高いだろう。

 智弁和歌山は近年多くの選手がプロに進んでおり、一昔前の甲子園では勝ててもプロ入りはできないという印象はすっかりなくなった。また、智弁学園も岡本和真(巨人)を輩出してからチームのスケールが大きくなっている印象を受ける。ここで取り上げた選手たちが来春以降どんな成長を見せてくれるのか。今後も両チームに引き続き注目したい。

(文・PABB主任研究員・西尾典文)

西尾典文 主任研究員

西尾典文
  • 1979年、愛知県生まれ。大学まで選手としてプレーした後、筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から技術解析などをテーマに野球専門誌に寄稿を開始。修了後もアマチュア野球を中心に年間約300試合を取材し、全国の現場に足を運んでいる

Twitter ID: @ajihiraita