国士舘大 高部瑛斗(撮影・西尾典文)

【ドラフト総括】パ・リーグ各球団「会心の指名」は誰だったのか?

智弁和歌山・黒川史陽(撮影・西尾典文)
智弁和歌山・黒川史陽(撮影・西尾典文)

【楽天】

2位:黒川史陽(智弁和歌山・内野手)

 1位でも内野手の小深田大翔(大阪ガス)を指名しているが、黒川はタイプが全く異なる強打者タイプ。下級生の頃から中軸を任せられ、強く引っ張った時の打球は迫力十分。夏の甲子園では不振だったが、木製バットで臨んだ9月の国体では見事なバッティングを見せて評価を上げた。たくましい体つきだが、脚力を備えているのも大きな魅力だ。23歳以下の若手野手がそもそも少なく、レギュラー陣もベテラン、中堅に偏っていることを考えると将来の中軸候補は補強ポイントだった。それを埋める存在として期待したい。

【ソフトバンク】

5位:柳町達(慶応大・外野手)

 支配下で指名した5人のうち4人が野手と、野手の世代交代がテーマだった今年のソフトバンク。内川聖一、松田宣浩の後釜候補という意味ではもうひとつの指名だったが、この順位で柳町を指名できたのはラッキーだった。中学時代から打撃センスの光る選手で、東京六大学のリーグ戦でも通算100安打を達成している。力強く引っ張る打球が少ない点は少し物足りないが、ミート力の高さと脚力は申し分ない。外野の争いは1位の佐藤直樹(JR西日本)との競争になるが、内野を守った経験があるのも大きな強みである。近い将来1番におさまることも期待できるだろう。

日大三・井上広輝(撮影・西尾典文)
日大三・井上広輝(撮影・西尾典文)

【西武】

6位:井上広輝(日大三・投手)

 弱点の投手陣を補うために上位3人は投手を揃えたが、それ以上に大きかったのが6位で指名したこの井上だ。150キロ前後のストレート、鋭く変化するスライダーをしっかりコントロールすることができ、豊作だった高校生投手の中でも、その実力はトップクラス。右肘の故障歴があることで評価が下がったことが予想されるが、今年に入ってからは安定した投球を続けていた。高橋光成、今井達也の高校卒右腕二人が成長しており、そこにこの井上が加われば魅力のある強力先発陣になるだろう。

(文・PABB主任研究員・西尾典文)

西尾典文 主任研究員

西尾典文
  • 1979年、愛知県生まれ。大学まで選手としてプレーした後、筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から技術解析などをテーマに野球専門誌に寄稿を開始。修了後もアマチュア野球を中心に年間約300試合を取材し、全国の現場に足を運んでいる

Twitter ID: @ajihiraita