東芝・宮川哲(撮影・西尾典文)

佐々木、奥川に負けるな! ドラフト「外れ1位」で成功するのは“この選手”

 いよいよ今日17時に開かれる2019年のプロ野球ドラフト会議。前日、スカウト会議を終えた球団の1位指名公表が相次ぎ、今のところ指名が確定と言われているのは下記の状況だ。

佐々木朗希(大船渡):日本ハム、ロッテ、西武

奥川恭伸(星稜):ヤクルト

森下暢仁(明治大):広島

石川昂弥(東邦):中日

大船渡・佐々木朗希(撮影・西尾典文)
大船渡・佐々木朗希(撮影・西尾典文)

 ソフトバンクとオリックスも佐々木が有力、楽天は佐々木か石川、巨人は佐々木か奥川、DeNAは佐々木か森下と見られ、今年も複数の選手で1位抽選が行われることは確実となっている。4人に1位が集まるということは8球団が再抽選。さらに外した球団による3度目の抽選の可能性も高い。そうなると重要になってくるのがいわゆる「外れ1位」、「外れ外れ1位」などの選択だ。そこで過去10年でそのようなケースで主力となっている選手を挙げてみると、以下のようになった。

星稜・奥川恭伸(撮影・西尾典文)
星稜・奥川恭伸(撮影・西尾典文)

2009年

岡田俊哉(中日):菊池雄星の「外れ1位」

2010年

山田哲人(ヤクルト):斎藤佑樹、塩見貴洋の「外れ外れ1位」

榎田大樹(阪神):大石達也の「外れ1位」

2012年

松永昂大(ロッテ):藤浪晋太郎の「外れ1位」

石山泰稚(ヤクルト):藤浪晋太郎の「外れ1位」

増田達至(西武):東浜巨の「外れ1位」

2013年

渡邉諒(日本ハム):松井裕樹、柿田裕太、岩貞祐太の「外れ外れ外れ1位」

加治屋蓮(ソフトバンク):松井裕樹、杉浦稔大の「外れ外れ1位」

岩貞祐太(阪神):大瀬良大地、柿田裕太の「外れ外れ1位」

小林誠司(巨人):石川歩の「外れ1位」

2014年

山崎康晃(DeNA):有原航平の「外れ1位」

野間峻祥(広島):有原航平の「外れ1位」

2016年

濱口遥大(DeNA):柳裕也、佐々木千隼の「外れ外れ1位」

堀瑞輝(日本ハム):田中正義、佐々木千隼の「外れ外れ1位」

2017年

村上宗隆(ヤクルト):清宮幸太郎の「外れ1位」

2018年

近本光司(阪神):藤原恭大、辰己涼介の「外れ外れ1位」

甲斐野央(ソフトバンク):小園海斗、辰己涼介の「外れ外れ1位」

 2015年の中日・小笠原慎之介(高橋純平の『外れ1位』)、ヤクルト・原樹理(高山俊の『外れ1位』)、2018年の巨人・高橋優貴(根尾昂・辰己涼介の『外れ外れ1位』)などもまずまずの活躍を見せており、また直近3年くらいではまだ結果が出てきていない選手が多く、これから成功例は増える可能性は十分にある。

 ただ、過去10年で、抽選を外した結果の1位が60人いることを考えると、成功率は約3割程度となる。下位指名までを含めたドラフト全体でも「3割当たれば成功」と言われているが、外れ1位もそのくらいの成功率ということになるだろう。

 上記の成功選手17人をカテゴリーごとにまとめると高校生5人、大学生5人、社会人7人と社会人が最も多い結果となった。さらにタイプ別にみると、岡田や松永、石山、増田、加治屋、山崎、甲斐野とリリーフ投手が非常に多い傾向にある。榎田と堀もリリーフ経験があることを考えると、実に全体の半数以上がリリーフ投手になるのだ。先発としては少し物足りないが、短いイニングであれば力を発揮できるというタイプが抽選が外れることで順位が繰り上がって、上手くはまっているということがよくわかる。

東芝・宮川哲(撮影・西尾典文)
東芝・宮川哲(撮影・西尾典文)

 この傾向から照らし合わせて、今年の候補の中で最も「外れ1位」で成功しそうな選手となると、宮川哲(東芝)になるだろう。先発では中盤につかまることが多いが、打者1巡目は圧倒的なピッチングを見せることが多い。特に投手陣が手薄な球団にとっては狙いたい選手といえる。

 抽選を外して宮川を狙う球団は果たして出てくるのか。その点にもぜひ注目してドラフト会議を楽しんでもらいたい。

(文・PABB主任研究員・西尾典文)

西尾典文 主任研究員

西尾典文
  • 1979年、愛知県生まれ。大学まで選手としてプレーした後、筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から技術解析などをテーマに野球専門誌に寄稿を開始。修了後もアマチュア野球を中心に年間約300試合を取材し、全国の現場に足を運んでいる

Twitter ID: @ajihiraita