大船渡・佐々木朗希(撮影・西尾典文)

佐々木朗希はどの球団に? 過去10年のドラフト会議で見えた“あるトレンド”

 いよいよ明日に迫ったプロ野球ドラフト会議。昨日、ヤクルトは奥川恭伸(星稜)、ロッテは佐々木朗希(大船渡)の1位指名を公言し、既に佐々木への入札を公言している日本ハムを合わせるとこれで3球団の1位が明らかとなった。さらに、西武は佐々木、楽天は佐々木か石川昂弥(東邦)、中日は奥川か石川の1位指名が有力という報道も出ている。

星稜・奥川恭伸(撮影・西尾典文)
星稜・奥川恭伸(撮影・西尾典文)

 ここまで出てくるのは高校生の名前ばかりで、もう一人の目玉と見られている森下暢仁(明治大)への入札という声はまだ聞こえてこない。一昨年は清宮幸太郎(早稲田実→日本ハム)と中村奨成(広陵→広島)に9球団、昨年は根尾昂(大阪桐蔭→中日)と藤原恭大(大阪桐蔭→ロッテ)、小園海斗(報徳学園→広島)に11球団の1位指名が集中したが、ここ数年は高校生に上位指名の集まる傾向が強くなっている。

森下暢仁(明治大) 【撮影・西尾典文】
森下暢仁(明治大) 【撮影・西尾典文】

 改めて過去10年の1位指名の選手をデータで見てみよう。

■1位入札(最初の指名)の人数

2009年 高校生:4人 大学生:1人 社会人:2人

2010年 高校生:0人 大学生:4人 社会人:0人

2011年 高校生:2人 大学生:4人 社会人:1人

2012年 高校生:3人 大学生:3人 社会人:0人(巨人1位の菅野は大学生で計算)

2013年 高校生:2人 大学生:1人 社会人:2人

2014年 高校生:4人 大学生:3人 社会人:1人

2015年 高校生:2人 大学生:6人 社会人:0人

2016年 高校生:3人 大学生:3人 社会人:1人

2017年 高校生:2人 大学生:1人 社会人:1人

2018年 高校生:3人 大学生:1人 社会人:0人

合計 高校生:25人 大学生:27人 社会人:8人

■最終的な1位(外れ含む確定)の人数

2009年 高校生:6人 大学生:3人 社会人:3人

2010年 高校生:3人 大学生:7人 社会人:2人

2011年 高校生:5人 大学生:4人 社会人:3人(日本ハム1位の菅野は拒否)

2012年 高校生:4人 大学生:5人 社会人:3人(巨人1位の菅野は大学生で計算)

2013年 高校生:4人 大学生:3人 社会人:5人

2014年 高校生:4人 大学生:5人 社会人:3人

2015年 高校生:4人 大学生:8人 社会人:0人

2016年 高校生:4人 大学生:7人 社会人:1人

2017年 高校生:5人 大学生:5人 社会人:2人

2018年 高校生:5人 大学生:6人 社会人:1人

合計 高校生:44人 大学生:53人 社会人:23人

 1位入札、また最終的な1位指名も大学生が最も多くなったが、過去3年間を見ると確実に高校生にシフトしてきているのがわかる。これには様々な要因があるが、トップクラスの高校生のレベルアップが大きいと考えられる。以前では高校生は「3年くらい二軍で体を作ってから一軍」という考えが一般的だったが、最近は確実に高校生の一軍デビューが早くなっている。投手だけでなく、野手にもその傾向が強くなっており、昨年は清宮がいきなり7本塁打を放ち、今年も小園がシーズン後半はショートのレギュラーをつかんで40安打をマークした。早くから使えるのであれば、年齢を重ねている大学生や社会人よりも、長く働ける高校生を優先しようという考えになるのはいたって当然のことである。

東邦・石川昂弥(撮影・西尾典文)
東邦・石川昂弥(撮影・西尾典文)

 このことによって高校生の意識にも変化が生じてきている。過去10年間でプロ志望届を提出した人数を調べてみると、以下のようになった。

2009年:113人

2010年:95人

2011年:87人

2012年:95人

2013年:71人

2014年:94人

2015年:78人

2016年:105人

2017年:106人

2018年:123人

2019年:139人

 2009年は113人と多かったものの、その後はずっと二桁が続き、2016年から再び増加傾向にある。そして、今年はこの制度ができてから最多となる139人がプロ志望届を提出したのだ。独立リーグのトライアウトを受ける選手も含まれているが、それでも高校から直接NPB入りを狙う選手が増えていることは間違いないだろう。

 果たして今年はこの139人から何人がプロ入りを果たすのか。“運命の日”は明日に迫っている。

(文・PABB主任研究員・西尾典文)

西尾典文 主任研究員

西尾典文
  • 1979年、愛知県生まれ。大学まで選手としてプレーした後、筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から技術解析などをテーマに野球専門誌に寄稿を開始。修了後もアマチュア野球を中心に年間約300試合を取材し、全国の現場に足を運んでいる

Twitter ID: @ajihiraita