国士舘大 高部瑛斗(撮影・西尾典文)

大学球界ナンバーワン外野手は「ミスター東都二部」 国士舘大・高部瑛斗の魅力【ドラフト2019】

 東京六大学野球とともに大学野球を常にリードしてきた存在の東都大学野球連盟。その凄さは一部リーグだけではない。二部リーグまで含めた12校の実力差がなく、そして二部からも球界を代表する選手を輩出している点に注目したい。

過去10年で4年秋時点に東都二部に所属して、プロ入りした選手を並べると下記のようになる。

松井佑介(東農大→2009年中日4位)

316試合 129安打9本塁打47打点1盗塁 打率.235

南昌輝(立正大→2010年ロッテ2位)

183試合 11勝8敗0セーブ36ホールド 防御率3.54

吉田裕太(立正大→2013年ロッテ2位)

240試合 80安打8本塁打29打点1盗塁 打率.193

陽川尚将(東農大→2013年阪神3位)

144試合 90安打12本塁打57打点5盗塁 打率.215

岩崎優(国士舘大→2013年阪神6位)

223試合 19勝23敗0セーブ51ホールド 防御率3.23

戸根千明(日本大→2014年巨人2位)

120試合 3勝2敗2セーブ18ホールド 防御率3.52

吉田正尚(青学大→2015年オリックス1位)

413試合 471安打77本塁打243打点9盗塁 打率.315

原樹理(東洋大→2015年ヤクルト1位)

81試合14勝33敗0セーブ1ホールド 防御率4.18

黒木優太(立正大→2016年オリックス2位)

94試合 7勝4敗2セーブ42ホールド 防御率4.33

神戸文也(立正大→2016年オリックス育成3位)

19試合 0勝0敗0セーブ5ホールド 防御率3.86

高橋礼(専修大→2017年ソフトバンク2位)

35試合 12勝7敗0セーブ0ホールド 防御率3.28

椎野新(国士舘大→2017年ソフトバンク4位)

37試合 5勝2敗0セーブ6ホールド 防御率3.38

重田倫明(国士舘大→2018年ソフトバンク育成3位)

一軍登板なし

 吉田正尚はリーグを代表する打者となり、高橋礼はソフトバンクのローテーション投手へと成長。原、岩崎、椎野などもチームに欠かせない存在となっている。また、あくまでも4年秋時点で二部に所属していた選手であり、1年目から不動のショートとして活躍している京田陽太(日本大→2016年中日2位)や、今年先発としてブレイクを果たした石橋良太(拓殖大→Honda→2015年楽天5位)も一部よりも二部でプレーしていた期間が長かった選手である。いかに高レベルの選手が揃っているかがよく分かる。

国士舘大・高部瑛斗(撮影・西尾典文)

 そして今年の候補には“ミスター東都二部”といえる選手がいる。それが国士舘大の外野手、高部瑛斗だ。東海大甲府の3年時には1番、センターとして夏の甲子園に出場。1年生だった清宮幸太郎(日本ハム)擁する早稲田実に3回戦で敗れたが、当時から俊足と巧打では目立つ存在だった。

 国士舘大進学後は1年春からレギュラーを獲得。今年春までの7シーズンで打率3割以上を4度記録し、10月10日終了時点でのリーグ戦通算安打は123本を数える。ちなみに東都一部の通算安打記録の1位は藤波行雄(中央大→中日)の133本で、2位は高木豊(中央大→大洋)の115本。一部と二部のレベル差のなさを考えると、高部の記録はこのレジェンド二人に匹敵すると言っても過言ではないだろう。バットコントロールの良さは出色で、リーグ戦通算8本塁打を2年秋以降に放っており長打力がアップしているのもプラス材料だ。

 高部の魅力はバッティングだけではない。リーグ戦通算27盗塁をマークしており、一塁到達3.99秒、二塁到達7.89秒という数字も見事である。またライトから見せる強肩も大学球界トップクラスだ。この秋のシーズンは注目が集まり、各チームからの厳しいマークもあってここまで打率1割台と低迷しているが、持っている技術、運動能力の高さは間違いないものがある。総合的に見ても「大学球界ナンバーワン外野手」と言っても良いだろう。

 果たしてこの高部をどの球団が何位で指名するのか。「東都二部」が誇る外野手にもぜひ注目してもらいたい。

(文・PABB主任研究員・西尾典文)

西尾典文 主任研究員

西尾典文
  • 1979年、愛知県生まれ。大学まで選手としてプレーした後、筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から技術解析などをテーマに野球専門誌に寄稿を開始。修了後もアマチュア野球を中心に年間約300試合を取材し、全国の現場に足を運んでいる

Twitter ID: @ajihiraita