玉川大・山田綾人(撮影・西尾典文)

巨人・山下航汰から奪三振「大型右腕」玉川大・山田綾人は“隠し玉”になるか【ドラフト2019】

 今年は佐々木朗希(大船渡)、奥川恭伸(星稜)、森下暢仁(明治大)の3人が目玉と言われているドラフト会議。しかしそれ以外にも将来が楽しみな候補は多く存在しているため、そんな選手たちについても主任研究員である西尾典文が見た試合のプレーぶりを交えながら紹介していきたい。今回は首都大学二部に現れた“大型右腕”だ。

玉川大・山田綾人(撮影・西尾典文)

山田綾人(玉川大)

投手 186cm 92kg 右投右打 桐光学園

観戦日:2019年3月5日(プロアマ交流戦 対巨人三軍戦)

成績:5回 被安打5 4失点(自責点2) 5奪三振 3四死球

この日の最速:146キロ

確認できた変化球:スライダー、フォーク、チェンジアップ

 昨年から密かな話題になっていた投手が今回取り上げる山田だ。玉川大は首都大学リーグの二部に所属しており、かつて一人もプロ野球選手を輩出していない。そんなチームに150キロを超える大型右腕がいると聞いたら見ないわけにはいかないと思い、昨年秋のリーグ戦に足を運んだが見事に空振りで山田の登板はなかった。

 そしてリベンジとなったのが今年3月に行われた巨人三軍とのプロアマ交流戦だ。ここ数年、巨人や阪神は積極的に大学や社会人とこのような試合を組んでいるが、その大きな目的の一つがドラフト候補の選手のチェックであることは間違いない。この試合であれば山田が必ず投げると踏んでジャイアンツ球場に向かったが、予想通り先発マウンドには山田の姿があった。

 まず目立つのがその体つきだ。プロフィールには186cm、92kgとあり、チームの中では明らかに抜けた存在であることがよく分かる。大型のパワーピッチャーの場合、上半身の力で投げることが多いが、山田の良さは下半身をしっかり使えるとことにある。走者がいなくてもセットポジションから投げていたが、左足を上げた時に少し“間(ま)”を作って軸足に体重をしっかりと乗せ、そこからステップしていくが、その間に引っかかるようなところがなく、バランスも安定している。また上半身を見ても、テイクバックで上手く肘をたたんで上から腕を振り下ろすことができ、ボールの角度も申し分なかった。スピードはコンスタントに145キロ前後をマークした。春先のこの時期には上々の数字である。

 課題はコントロールと変化球。立ち上がりは特にばらつきが大きく、初回は二つの四球を与えるなどストライクをとるのに苦労した。フォーム自体に大きな欠点があるわけではないため、リリースの感覚を磨きたいところだ。またスライダー、フォーク、チェンジアップと変化球も一通りあるが、ストレートに比べるといずれも腕の振りが緩む傾向にある。このあたりも今後修正すべき点と言えるだろう。

西尾典文 主任研究員

西尾典文
  • 1979年、愛知県生まれ。大学まで選手としてプレーした後、筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から技術解析などをテーマに野球専門誌に寄稿を開始。修了後もアマチュア野球を中心に年間約300試合を取材し、全国の現場に足を運んでいる

Twitter ID: @ajihiraita