健大高崎時代の山下航汰(巨人)【撮影・西尾典文】

根尾以上に活躍…巨人・山下航汰はなぜ「育成指名」だったのか?

 もう一つは所属していたチームに対する信頼感と、最終学年でのプレーぶりである。健大高崎は高校球界ではすっかりおなじみとなった強豪校だが、スローガンの“機動破壊”の通り俊足巧打を売りにした選手が多い。プロにも多く選手を輩出しているが、まだ大成した選手はおらず、プロのスカウトからは、少なからずそういう点を不安視した意見も聞かれた。また3年春には部内の不祥事が発覚し、夏の大会には出場できたものの1カ月間の対外試合禁止処分を受けている。そういう事情もマイナスに働いたことも予想される。

 しかしそんな不安要素を払拭するには十分すぎる働きを山下が見せたことは間違いない。毎年のように多くの選手を補強する巨人で、このままレギュラーをつかみ取るのは決して簡単なことではないが、その打力にさらに磨きをかけて新たな巨人の“育成の星”となることを期待したい。

(文・PABB主任研究員・西尾典文)

西尾典文 主任研究員

西尾典文
  • 1979年、愛知県生まれ。大学まで選手としてプレーした後、筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から技術解析などをテーマに野球専門誌に寄稿を開始。修了後もアマチュア野球を中心に年間約300試合を取材し、全国の現場に足を運んでいる

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