2019年「夏の甲子園」の逸材 おすすめ球団は?【外野手編】

 履正社(大阪)の初優勝で幕を閉じた2019年の「夏の甲子園」。“超高校級投手”佐々木朗希を擁する大船渡が岩手大会の決勝で敗れ、ドラフト候補としは“本命不在”との声も聞かれたが、それでも高いパフォーマンスを発揮した選手は少なくなかった。ここではそんな選手たちをプロ球団のスカウト的な観点で評価、分析した。なお、取り上げた選手の中には既に進学が有力視される選手も含まれているが、あくまでプロ志望だったことを前提として評価している。「投手編」、「捕手・内野手編」、「外野手編」に分けてお届けする。今回は「外野手編」だ。

※評価ポイントは以下のように設定した。「おすすめ球団」は各球団のドラフト戦略を分析して、各選手が球団の補強ポイントに当てはまるかで選出している。

評価A:プロ志望なら上位指名濃厚
評価B:プロ志望なら指名濃厚
評価C:プロ志望なら指名の可能性あり
おすすめ球団:どの球団の補強ポイントに当てはまるか

■井上広大(履正社)
ポジション:外野手
身長体重・投打:187cm 94kg 右投右打
評価:B
おすすめ球団:中日
6試合で3本塁打、14打点の大活躍でチームを優勝に導いた大型スラッガー。高校生離れした体格とパワーが魅力だが、無駄な動きが小さく、選抜と比べても確実性がアップした。ライトから見せる強肩も高レベルで、外野手としての能力も決して低くない。中軸候補の若手が枯渇している中日は是非とも獲得を検討したい選手だ。

■木下元秀(敦賀気比)
ポジション:外野手
身長体重・投打:182cm 86kg 左投左打
評価:C
おすすめ球団:DeNA
昨年夏はエースとして出場したが、新チームでは長打力を生かして野手に軸足を移して才能が開花。今大会は12打数7安打6打点と4番の役割を果たした。大型だがバットコントロールも悪くなく、広角に長打を放つ打撃が持ち味。筒香嘉智の後釜候補としてDeNAなどは狙っても面白いだろう。

■住谷湧也(近江)
ポジション:外野手
身長体重・投打:170cm 70kg 左投左打
評価:C
おすすめ球団:阪神
昨年夏の甲子園で大会記録となる打率.769をマークしたヒットメーカー。今大会は初戦敗退となったが、最後にレフト前にはじき返して意地を見せた。上背はないがヘッドスピードは申し分なく、ミート力の高さも見事。同じタイプで7歳上の近本光司の後釜として地元の阪神は狙いたい選手だ。

履正社・桃谷惟吹(撮影・西尾典文)

■桃谷惟吹(履正社)
ポジション:外野手
身長体重・投打:175cm 81kg 右投右打
評価:C
おすすめ球団:日本ハム
1回戦でいきない先頭打者ホームランを放つなど、5試合連続で初回の第1打席にヒットを放った強打のトップバッター。少しだけバットを寝かせてタイミングをとるが、振り出す角度が良いため打球が伸びる。センターの守備も安定感は申し分ない。右打ちの外野手が少ない日本ハムなどは補強ポイントに当てはまる選手だ。

■天井一輝(広島商)
ポジション:外野手
身長体重・投打:178cm 78kg 右投左打
評価:C
おすすめ球団:広島
三拍子そろった中国地区を代表する外野手。初戦で敗れたもののセンターオーバーのツーベースを含む2安打を放ち、盗塁も決めるなどその良さはいかんなく発揮した。脚力があるのに強く振れ、当て逃げしないスタイルには好感が持てる。高卒の若手外野手が少ない地元広島はチームカラー的にも合う選手と言えるだろう。

■丸山蓮(鶴岡東)
ポジション:外野手
身長体重・投打:183cm 80kg 右投右打
評価:C
おすすめ球団:西武
山形大会では背番号1だったが甲子園では強打を生かして野手に専念。3試合で11打数6安打をマークし、2回戦の習志野戦では2打席連続ホームランを放った。タイミングをとる動きの大きさは気になるが、全身を使ったフルスイングは迫力十分。プレースタイル的にも補強ポイント的にも西武がマッチしそうな選手だ。

■野村健太(山梨学院)
ポジション:外野手
身長体重・投打:180cm 88kg 右投右打
評価:C
おすすめ球団:ソフトバンク
過去2回出場した甲子園で3本塁打を放ったスラッガー。今大会は会心の当たりはなく初戦で敗れたものの、3安打を記録して存在感を示した。体の割れが不十分で崩されやすいのは課題だが、遠くへ飛ばす力は魅力。大学進学という噂だが、若手のスラッガータイプを育成したいソフトバンクは狙っても面白いだろう。

■齋藤來音(静岡)
ポジション:外野手
身長体重・投打:180cm 77kg 右投左打
評価:C
おすすめ球団:ヤクルト
東海地区を代表するスピードが魅力の外野手。静岡大会では不振だったが、甲子園では前佑囲斗(津田学園)から2安打を放ち復調をアピールした。バットコントロールの良さと加速の良いランニングは高校球界でもトップクラス。若手でスピードのある野手が少ないヤクルトは狙っても面白いだろう。

(文・取材/PABB主任研究員・西尾典文)

※本記事は PABB主任研究員・西尾典文 が一般メディアに寄稿した記事を再編集したものです。

PABB編集部