2019年「夏の甲子園」の逸材 おすすめ球団は?【捕手・内野手編】

 履正社(大阪)の初優勝で幕を閉じた2019年の「夏の甲子園」。“超高校級投手”佐々木朗希を擁する大船渡が岩手大会の決勝で敗れ、ドラフト候補としは“本命不在”との声も聞かれたが、それでも高いパフォーマンスを発揮した選手は少なくなかった。ここではそんな選手たちをプロ球団のスカウト的な観点で評価、分析した。なお、取り上げた選手の中には既に進学が有力視される選手も含まれているが、あくまでプロ志望だったことを前提として評価している。「投手編」、「捕手・内野手編」、「外野手編」に分けてお届けする。今回は「捕手・内野手編」だ。

※評価ポイントは以下のように設定した。「おすすめ球団」は各球団のドラフト戦略を分析して、各選手が球団の補強ポイントに当てはまるかで選出している。

評価A:プロ志望なら上位指名濃厚
評価B:プロ志望なら指名濃厚
評価C:プロ志望なら指名の可能性あり
おすすめ球団:どの球団の補強ポイントに当てはまるか

■武岡龍世(八戸学院光星)
ポジション:遊撃手
身長体重・投打:178cm 77kg 右投左打
評価:B
おすすめ球団:日本ハム
三拍子に加えて長打力も備えた高校球界屈指のショート。春と比べても体つきが大きくなり、センターへの一発を放つなど長打力がアップしたところを見せた。少し判断力には課題が残るが、フットワーク、スローイングとも高校生では高レベル。元々ショートが本職という若手野手がいない日本ハムなどは狙いたい選手だ。

■山瀬慎之助(星稜)
ポジション:捕手
身長体重・投打:177cm 85kg 右投右打
評価:B
おすすめ球団:オリックス
好素材の捕手が多かった今大会においても、地肩の強さはナンバーワン。コンスタントに1.8秒台をマークし、低い軌道で一直線に届くセカンド送球は迫力十分。ストライクゾーンを広く使えるリードもよく考えている。ディフェンス型の若手捕手がほしいオリックスは狙いたい。

■有馬諒(近江)
ポジション:捕手
身長体重・投打:183cm 81kg 右投右打
評価:B
おすすめ球団:阪神
スケールの大きさを備えた高校球界屈指の捕手。初戦(2回戦)敗退となったものの攻守に良さは十分に見せつけた。大型でもフットワークをしっかり使え、プレーにスピードがあるのが持ち味。打撃も大きな構えで楽に引っ張ることができる。大学進学が有力とのことだが、将来の正捕手候補として地元の阪神は追いかけたい選手だ。

智弁和歌山・黒川史陽(撮影・西尾典文)

■黒川史陽(智弁和歌山)
ポジション:二塁手
身長体重・投打:182cm 80kg 右投左打
評価:C
おすすめ球団:ソフトバンク
今大会は3試合で1安打と結果こそ出なかったが、春に比べて打撃の形が改善されていたのがプラス要因。以前よりタイミングをとる動きが小さくなり、それでいて力感も申し分なく長打が出そうな雰囲気は十分だった。大柄だがセカンドの守備も安定している。将来の中軸候補がほしいソフトバンクは補強ポイントに当てはまるだろう。

■韮沢雄也(花咲徳栄)
ポジション:遊撃手
身長体重・投打:177cm 80kg 右投左打
評価:C
おすすめ球団:DeNA
自身3年連続の夏の甲子園で初の初戦敗退となったが、中森俊介(明石商)から1安打を放ち存在感を示した。スイングに悪い癖がなく、広角に打ち分ける打撃は出色。ショートの守備も安定感がある。高卒の若手内野手が不足しているDeNAは候補として挙げておきたい選手だ。

■坂下翔馬(智弁学園)
ポジション:遊撃手
身長体重・投打:165cm 67kg 右投左打
評価:C
おすすめ球団:巨人
初戦で敗れたものの痛烈に引っ張る2安打を放ち、その強打をいかんなく発揮した。上背のなさを全く感じさせない強いスイングで、打球の速さも超高校級。ショートの守備の軽快さも目立つ。大学進学との報道が出ているが仮にプロ志望だとすれば、打てるセカンド候補として巨人が狙いたい選手だ。

■西川晋太郎(智弁和歌山)
ポジション:遊撃手
身長体重・投打:168cm 68kg 右投右打
評価:C
おすすめ球団:ヤクルト
東妻、黒川とともに5季連続の甲子園出場となったが、見る度に安定感、スピードが増すショートの守備は高校球界屈指。小柄でも球際に強く、スローイングの強さも申し分ない。打撃もシュアでしぶとさがあるのが持ち味だ。右打ちの若手内野手が少なく、守備から大選手になった宮本慎也ヘッドコーチのいるヤクルトなどは狙っても面白いだろう。

■持丸泰輝(旭川大)
ポジション:捕手
身長体重・投打:178cm 76kg 右投左打
評価:C
おすすめ球団:阪神
高い打撃技術が光る捕手。奥川恭伸(星稜)を相手にもしっかりと自分の打撃を見せてヒットは1本ながらライトへ大きな飛球も放った。ミート力、パンチ力ともに高校球界では上位だ。捕手としても強肩だが、打撃を生かして他のポジションへの転向を考えても良いだろう。捕手、野手とも若手の少ない阪神は補強ポイントにマッチする選手だ。

■藤田健斗(中京学院大中京)
ポジション:捕手
身長体重・投打:173cm 73kg 右投右打
評価:C
おすすめ球団:西武
4月に高校日本代表候補に選ばれた実力を今大会でもいかんなく発揮。攻守にわたる活躍でチームをベスト4に導いた。決して大柄ではないが力強い送球、シュアなバッティングは見事。あらゆるタイプの投手をリードした経験も大きい。同じ小柄な打てる捕手の森友哉の後釜として西武などは狙いたい選手だ。

■東妻純平(智弁和歌山)
ポジション:捕手
身長体重・投打:172cm 74kg 右投右打
評価:C
おすすめ球団:ロッテ
春の近畿大会は不振で途中交代となったが、その経験をバネにこの夏は見事に復活。素早い送球を連発して相手の機動力を阻止し、打っても3試合で1本のホームランを含む3本の長打を放つ活躍を見せた。若手の捕手が少ないチーム事情と、兄の勇輔との兄弟バッテリーで話題を呼ぶことを考えてもロッテが狙うのは面白いだろう。

(文・取材/PABB主任研究員・西尾典文)

※本記事は PABB主任研究員・西尾典文 が一般メディアに寄稿した記事を再編集したものです。

PABB編集部